~あらすじ~
精神科医の象山は家族を愛している。
だが彼は知っていた。どんなに幸せな家族も、たった一つの小さな亀裂から崩壊してしまうことを――。
やがて謎の薬を手に入れたことで、彼は人知を超えた殺人事件に巻き込まれていく。(※カバーから転載)
~感想~
未読の方の興を削がないためあらすじは転載した。
昨年3大ランキングで全て2位以上を射止めた「名探偵のいけにえ」がグロ控えめ、SF設定無しでどちらかといえば作者の初心者向けだとすれば、本作は玄人向けのグロととんでもないSF的設定が目白押し。
挨拶代わりのトリックから始まり、序盤で予想だにしないタイミングで殺人事件が起こり度肝を抜かれるが、まだまだ様子見の段階で、話が進むほどにグロはもちろん論理も全開に。SFに詳しくないので類例があるのかわからないが、思いつきそうで思いつかない絶妙な線をついた特殊設定が肝で、作者得意の多重推理・多重解決を成立させるためにまだまだこんな手段があったのかと仰天する設定を120%活かし、縦横無尽に論理と伏線とグロが張り巡らされる。
言われてみれば確かに書いてた山のような伏線を駆使して論理を紡いではそれを呆気なく手放し、また別の伏線を拾っては繋ぎ合わせる超絶技巧が満載。多くの読者をグロさでふるい落とすものの、論理はややこしくはあるがきちんと説明され納得が行くものばかり。
この設定では仕方がないことながら犯人はわりとどうでも良くなってしまうものの、白井ファンならば必ずや満足する期待通りに期待を上回る、グロ・論理・解決・特殊設定であふれ返った傑作である。
全くの余談ながら、最後に明かされる一番グロくて人でなしのトリックが、状況が明かされるや自分はすぐに見抜けてしまったのだが、どうかドン引きしないで欲しい。解けたということは解けるように書いた作者がすごいのであって、僕が人でなしなわけではないはずだ。
23.10.1
評価:★★★★☆ 9
精神科医の象山は家族を愛している。
だが彼は知っていた。どんなに幸せな家族も、たった一つの小さな亀裂から崩壊してしまうことを――。
やがて謎の薬を手に入れたことで、彼は人知を超えた殺人事件に巻き込まれていく。(※カバーから転載)
~感想~
未読の方の興を削がないためあらすじは転載した。
昨年3大ランキングで全て2位以上を射止めた「名探偵のいけにえ」がグロ控えめ、SF設定無しでどちらかといえば作者の初心者向けだとすれば、本作は玄人向けのグロととんでもないSF的設定が目白押し。
挨拶代わりのトリックから始まり、序盤で予想だにしないタイミングで殺人事件が起こり度肝を抜かれるが、まだまだ様子見の段階で、話が進むほどにグロはもちろん論理も全開に。SFに詳しくないので類例があるのかわからないが、思いつきそうで思いつかない絶妙な線をついた特殊設定が肝で、作者得意の多重推理・多重解決を成立させるためにまだまだこんな手段があったのかと仰天する設定を120%活かし、縦横無尽に論理と伏線とグロが張り巡らされる。
言われてみれば確かに書いてた山のような伏線を駆使して論理を紡いではそれを呆気なく手放し、また別の伏線を拾っては繋ぎ合わせる超絶技巧が満載。多くの読者をグロさでふるい落とすものの、論理はややこしくはあるがきちんと説明され納得が行くものばかり。
この設定では仕方がないことながら犯人はわりとどうでも良くなってしまうものの、白井ファンならば必ずや満足する期待通りに期待を上回る、グロ・論理・解決・特殊設定であふれ返った傑作である。
全くの余談ながら、最後に明かされる一番グロくて人でなしのトリックが、状況が明かされるや自分はすぐに見抜けてしまったのだが、どうかドン引きしないで欲しい。解けたということは解けるように書いた作者がすごいのであって、僕が人でなしなわけではないはずだ。
23.10.1
評価:★★★★☆ 9