小金沢ライブラリー

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ミステリ感想-『機龍警察 狼眼殺手』月村了衛

2018年10月10日 | ミステリ感想
~あらすじ~
政府が推進する次世代通信システム「クイアコン」の関係者が次々と殺される。犠牲者にはカトリックの護符が届けられており、もともと7枚一組で売られていたことから特捜部長の沖津は連続殺人を危惧する。
そして捜査線上に浮かんだ容疑者は、ライザ・ラードナー警部と因縁深い「狼眼殺手」と呼ばれる暗殺者だった。
機龍警察シリーズ第五弾。

2017年このミス3位、文春4位


~感想~
まず本作の前日譚である「化生」が短編集「機龍警察 火宅」に収録されており、先に読んでおけばより楽しめるだろう。
「火宅」はいち早く文庫化されているので強く勧めたい。

肝心の内容は期待通りに謀略が渦巻き、まるで本格ミステリのような殺人予告状が飛び出し、白兵戦も盛り上がりと、陳腐な言葉で表現すれば最初から最後までクライマックスの良作である。
だが、画竜点睛を欠いたことに、まさかのロボットバトル皆無には絶望した。
このシリーズの魅力はロボットバトルだけではないし、皆無でも十分に面白かったが、やはり期待しているのはロボット同士の激突なわけで、これまでのシリーズでは多少強引にでも乗り込んでバトルで決着をつけていただけに、今回もバトッて欲しかったと思わずにはいられない。

ミステリ的には「敬虔なカトリックではなく、それまで一度も予告殺人などしたこともない暗殺者がなぜ殺す相手にカトリックの護符を送りつけるのか?」の謎と、中盤で一瞬だけ出てきてあっさり解かれてしまうが、暗殺者の不可解過ぎるとある行動の動機は、なかなか斬新な真相だった。特に後者には目を見張った。
あと殺し屋株式会社みたいなのが出てきて、役職が偉いほど強いのには笑った。
敵組織の一番偉い奴がなぜか一番強いラスボスでありがちな、ジャッキー・チェンのカンフー映画じゃないんだからww

シリーズファンなら絶対確実に楽しめることは保証するが、ロボットバトルが無いことは事前に知っておいたほうが期待を裏切られずに済むので、注意喚起しておく次第である。


18.10.9
評価:★★★★ 8
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2/21のNXT #436  チャンパ対策ゼロのツケ

2018年10月09日 | 今週のNXT
ノー・ウェイ・ホセ ×-◯ ベルベティーン・ドリーム
(パープル・レインメーカー)

いつものフルセイル大学ではなく、やたらと暗いアトランタの会場から放送。
ホセが必殺技のポップアップからのパンチを狙うが、跳ね上げられたところでベルベティーンがドロップキックを浴びせて回避し、すかさずデスバレードライバーからダイビングエルボードロップにつなげ逆転勝利した。
ホセは投げ技が雑で怪我をさせないか見ていてヒヤヒヤする。


ニッキー・クロス ◯-× ヴァネッサ・ボーン
(ゴールデンルール)

ニッキーが一通り攻めさせてやった後に狂気じみた笑みで相手をビビらせると、一気に攻め込み必殺技であっさり仕留めた。


NXT王座戦
アンドラーデ・シエン・アルマス ◯-× ジョニー・ガルガノ
(ハンマーロックDDT)防衛成功

開始してすぐにゼリーナ・ベガが妨害に入るが、最初から夫に同伴していたキャンディス・レラエがトペで襲いかかると、そのままゼリーナをバックステージへ連れ去り、アルマスとガルガノの一騎打ちに。
アルマスはロープ宙吊り腕ひしぎに捕らえてガルガノの左腕を負傷させると、それを集中攻撃し、有利な展開に持っていく。

終盤、アルマスと衝突したレフェリーが倒れている間にガルガノは必殺のガルガノ・エスケープに捕獲したもののレフェリー不在でタップは奪えず、さらに乱入したトマソ・チャンパに背中を松葉杖で痛打されると、アルマスの必殺技を浴びてあえなくフォール負けしてしまった。

嫁を連れてきてゼリーナ対策はしていたのにチャンパ対策を全くしていなかったのが失敗である。
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今週のキン肉マン #262 火事場の関節技!!

2018年10月08日 | 今週のキン肉マン
・クソ力を力ずくで返しちゃったよ
・8000万パワーwww
・クソ力無しの素でクソ力バッファローマン超えてるのかよ
・ガンマンと同等ならそりゃ強いわパイレートマン
・8000万パワーもあるのに100万パワーを自慢するカナディアンマンを見下さないなんて高潔すぎる
・下は海だ~→そうかあのラリアットは~
・ミートはなんの役に立ってるの?
・クラッチを外したらスグルもっと危なくない?
・外さなくても落ちないか?
・そもそも飛べるよね?
・怒涛のゆで理論
・マグネットパワー!?
・事情が変わった。続けて
・マグネットパワーには本当に驚いた
・普通に飛べる超人がわざわざマグネットパワーを使うのに驚かされるのは、なんというか非常にプロレス的というか
・ピープルズ・エルボーが2.9で返されて驚くのと理屈は同じだと思う
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ミステリ感想-『北斎殺人事件』高橋克彦

2018年10月06日 | ミステリ感想
~あらすじ~
ボストン美術館で老人が刺殺された事件が発生。
一方、日本では津田良平が「葛飾北斎は隠密だった」という奇説の調査を大手出版社に依頼される。
調査は順調に進み、北斎の未発見作と思われる作品も掘り出され、順風満帆かに見えたが……。

1987年日本推理作家協会賞、文春6位


~感想~
まず本作は「写楽殺人事件」の続編であり、文庫版20ページ目で前作のネタバレが余すところなくされているので要注意。
また解説ではおなじみ中島河太郎による本作の完全ネタバレもされており、忙しすぎる現代人もあわせて30ページほどで2作分の内容が把握できてしまうが、絶対試さないように。

内容に戻ると、写楽の正体よりもエンタメ性に富んだ北斎隠密説それ自体が非常に面白く、次から次へと示される傍証や状況証拠(に見えるもの)に驚かされ、読み終える頃には北斎=隠密だと納得させられることだろう。
ビッグネームがごろごろ現れては説自体に絡んできて、歴史好きにはより一層楽しめた。
一方で中盤からは北斎を脇に追いやり、とある事件が描かれ、期待通りに冒頭のボストンでの事件とも絡んでくるのだが、こちらも前作と同じく筋が入り組み過ぎの感はあるものの、様々な思惑が絡み合ったなかなかに読ませるもので、終盤には北斎からも殺人事件からも離れた悲劇が描かれ、哀切ある告白で締められる頃には隠密説もわりとどうでも良くなってしまった。
とはいえ北斎と事件の両輪で最後まで読者の興味を引くことに成功しており、また前作「写楽殺人事件」の後日談としても面白い、力作であることは間違いない。

なおシリーズ完結編となる「広重殺人事件」もあるが、前2作(特に北斎殺人事件)を台無しにするような、危うく椅子から転げ落ちそうになった驚愕のあらすじが書かれており、読んだら全然別物かもしれないが、特にランクインも受賞もしていないし、あえて読まなくてもいいかなと思っている次第である。


18.10.1
評価:★★★★ 8
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今週のキン肉マン #261 黒き海の伝説!!

2018年10月02日 | 今週のキン肉マン
・ゼブラがやられてヘタレるスグル
・そのゼブラをクソ力抜きで倒してるじゃんというツッコミは無粋
・ゆで世界の高層建築の下には絶対トゲが生えている
・一斉に処刑される応募超人たちwww
・クソ力の発動が早すぎる
・パイレートマンの発動は間違いなしか?
・ミキサー大帝戦以来の敗北も面白いし、フェニックスも配色濃厚だから3王子がバックスクリーン3連発喰らってもおかしくない
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10月の新刊情報

2018年10月01日 | ミステリ界隈
1日 新潮社文庫
青山文平 半席
月原渉 首無館の殺人

4日 実業之日本社文庫
田中啓文 力士探偵シャーロック山

6日 文春文庫
冲方丁 十二人の死にたい子供たち
月村了衛 ガンルージュ

10日 幻冬舎文庫
浦賀和宏 十五年目の復讐
石持浅海 二千回の殺人
河合莞爾 800年後に会いに行く
中山七里 作家刑事毒島
柚月裕子 ウツボカズラの甘い息
有栖川有栖 幽霊刑事 ※新装版

11日 文藝春秋
東野圭吾 沈黙のパレード

11日 東京創元社
川澄浩平 探偵は教室にいない ※鮎川哲也賞

12日 角川書店
犬塚理人 人間狩り ※横溝賞優秀賞

16日 講談社文庫
京極夏彦 ルー=ガルー 忌避すべき狼 ※復刊
柳広司 幻影城市

18日 光文社
我孫子武丸 凜の弦音

22日 新潮社
乾緑郎 見返り検校
宮部みゆき 宮部みゆき全一冊

24日 講談社タイガ
恩田陸 八月は冷たい城

25日 小学館
月村了衛 東京輪舞

27日 講談社
舞城王太郎 私はあなたの瞳の林檎

29日 文藝春秋
芦辺拓 新・二都物語
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