名古屋場所が終わった。朝青龍が優勝したからひとつ褒めておこう。
彼は待ったをしない。どんな相手にも待ったをしないで立つ。感心なことだ。待ったを駆け引きに使う力士がかなりいる。かっての若乃花(貴乃花の兄、弟?)。彼は待ったの駆け引きで横綱がはれたようなものだ。あいての「早突っかけ」の場合もあるだろうに、ちゃんと合わせて立つ朝青龍は立派と言わなければならない。
八百長と同じく、待ったの胡散臭さが大相撲の醍醐味かもしれないから野暮なことを言うな、と言われるかもしれないが、どうも気に食わない。今日は優勝を争っていた琴光喜が待ったをした。待ったには二通りのタイプがあるようだ。一つはずる賢く相手の気勢を殺ぎ立会いを有利にする。若乃花の場合だ。現役では露鵬がうまい。千代大海もうまい。もう一つは今日の琴光喜の場合。自信のなさ、かたさが現れる。こういうケースは結構ある。こういう場合はまず負ける。
テレビで相撲を見る楽しみのひとつは待ったがどっちの場合か予測することだ。今日は琴が負けるなと思ったが、その通りになった。
大相撲は判定にビデオを入れた。スポーツの世界では最初の快挙だ。今度は制限時間一杯になったら待ったを認めず、いずれにせよ行司の軍配がかえってから10秒くらい経過したらボクシングみたいに時計係り審判がゴングを鳴らしたらどうだ。勿論手を突かないでたったら無条件で負けにする。