東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

私の読書傾向(2)

2007-07-23 19:10:55 | 社会・経済

フィリップ・マーロウはチェスの棋譜を読むんだね。詰め将棋なんかも。渡辺探偵事務所の沢崎は囲碁の本を読む。それも贔屓があるらしい。何といったかな、一昔前に活躍した人なので名前を忘れた。わたしも歌舞伎町のバーでカラスミのお土産を貰ったりしたんだけど申し訳ない。本因坊だったか名人だったか。大竹名人だったかな。沢崎って知らないですか。原寮さんのハードボイルド小説の主人公です。

私もいっときは詰碁の本を読んだものです。とくに寝つきが悪い夜なんか格好の睡眠薬だった。しかし、全然上達しないので腹を立てて読むのを止めてしまいました。読書にもTPOがあって、就寝前に適した本というのがあります。寝付かれないときとか、夜中に目が覚めて眠れなくなった時とかには、酒でも飲んで詰碁なんかすると効果満点でした。

目が覚めてしまったのが午前3時前で、再び眠れそうも無いときは匂いの無い蒸留酒(ラム、ウオッカ)を飲みます。冷蔵庫のなかにジュースがあるときにはそれでカクテルを作ったりします。ジンも割ればにおいも気にならなくなります。ウイスキーやブランデーはだめですね。午前3時には似合いません。ビールはいけないようです。便所が近くなるということもありますが、どうも腸を刺激するんでしょうか、いやな夢を見ることがあります。3時を過ぎていたら酒は我慢します。3時過ぎの酒はどうも朝まで後をひくようです。

こういうときにアルコールを飲みながら中世の坊さんが書いたものを読むといいようです。いわゆるスコラ哲学ですな。すぐに眠くなります。それに多少実用的な意味もありましてね。近世、現代の哲学は中世を吹っ飛ばしてプラトン、アリストテレスとつながるのですが、論理学、言語分析はスコラ哲学が参考になるんですな。これも最近の研究の成果です。たかだかここ2,30年くらいではないですか。言語分析の分野で現代哲学との関係が注目されるようになったのは。

スコラ哲学は煩瑣哲学といわれるくらいですから午前3時の不眠症には最適です。


私の読書傾向(1)

2007-07-23 07:44:00 | 社会・経済

まず小説の場合、日本の小説はほとんど読まない、なんて格好のいいことを言って。

たとえば最近当ブログに連載したハードボイルド・ミステリーの場合はアメリカのものか、翻訳だ。理由は馬鹿馬鹿しいほど単純。

英文では人の名前など固有名詞が大文字で始まる。翻訳の場合は固有名詞はカタカナ。読み返したりする場合に該当箇所を見つけやすい。日本の場合、名前は大体漢字だが、漢字はあらゆる品詞に使われている。

昔は夏目漱石の小説なんか、一部はよく読んだ。「我輩は猫である」と「坊ちゃん」くらいだが。後は好まない。大体趣味が低俗なのが分かる。総ルビ付きの馬鹿でかい漱石全集が家にあってね。重さが3キロぐらいあったかな。一冊で。小学生のころなんか、持つと背骨が曲がりそうだった。

あれは大正時代か昭和初期の出版だったかな。大日本帝国の最盛時ですべて雄大だったね。建物にしてもそうだ。戦後に立てられたビルは解体が始まるとあっという間に更地になる。立て替えられた昭和初期?の丸ビルなんか解体だけで何年かかったと思う?

使われているコンクリートの量が桁違いだ。ダムみたいだ。ダイナマイトを使わないと解体出来ない。戦艦大和の時代だからね。

あと、永井荷風はほとんど読むね。出来の高低が小さいようだ。そんなわけで日本の作家について書くと時々間違える。日本の作家諸君には伏してご海容を請い願う次第であります。