さて、以上で太平洋戦争を始めたのが薩長という半藤説が狂人のたわごと、幼児の説であることが分かったわけだ。もっともこんなことは縷々言うまでもなく常識だがね。
さて、昭和の軍閥が明治維新の功労者に対する佐幕各藩のルサンチマンを元にしていることがわかったわけだが、東軍といっても色々ある。徳川幕府本体、御三家、それにゴミみたいな佐幕各藩(東北、北陸に多い)とあるのだが、ルサンチマンはことのほか子分格の東北、北陸の小藩に強い。幕府本体、徳川宗家は潔く諦めているのに佐幕派の末裔はいつまでも「関ヶ原のうらみ」てなことを言っている。
たとえば東条英機、かれは盛岡の佐幕藩の最下層つまり能役者の家柄だ。彼の父も軍人だが、薩長閥に邪魔されて中将にしかなれなかったと思い、その恨みを息子の英機に徹底的にたたたきこんだという。
東条を靖国神社に合祀したときの宮司も元軍人で松平なにがしという。もとは北陸の徳川親藩のお殿様だ。だから関ヶ原の恨み、もとへ明治維新の恨みからしても東条を無理やり靖国に祀りたかったと思われる。満州事変を計画した石原莞爾はたしか会津か福島だ。太平洋戦争開戦時の連合艦隊司令長官山本五十六は長岡藩、戊申戦争で薩長に滅ぼされた。
つまりだ、太平洋戦争は明治維新で滅ぼされた東北、北陸戦争の敗者が権力を奪取して始めたものである。