日本財団の笹川陽平くんがまた産経に寄稿していた。昨日か一昨日か、笹川君は国家の品格と言うことが分からないらしい。なにも笹川君に限らないが、この動きを推進しようとする連中は国家の品格と言うものを理解する能力がない。
銀行の場合、いわゆる休眠口座に関係するのは商事債権の時効の条項らしいが、旧郵貯や信金などは民事債権の条項が関係すると言う。いずれにせよ、債務債権と言うからには契約に双方が縛られるわけだが、債権者すなわち預金者は休眠条約条項を理解して預金する人は皆無と言って間違いなからろう。預金通帳に約款はあるからいいと金融機関はいうのだろうがそういうものではない。
民間銀行であれば通帳に約款が印刷してあるでしょう、と因業なことを言うこともありうる。読めない活字で印刷してあってもね、小さい活字で不鮮明な紙面に印刷してあってもだ。しかし、国家がそんなことをしてはいけない。国家はそういう因業な民間金融業者をたしなめるのが役目だ。
之をしない官僚には銀行業界を指導する権利はまったくない。
それを、民間銀行も躊躇することを率先してやるとは国家が強盗になったのか。こういうことが頻発したことがあった。昭和十年代である。軍部と結託し自己を革新官僚の美称で飾った連中である。
笹川君のお父さんもそういう官僚と絶妙の連携をした「輝かしい経歴」がある。血は争えないのかな。