東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

叡慮の存するところ4、間の悪いことは重なる

2015-08-11 11:27:51 | 戦後70年首相談話
次の間の悪いことは日英同盟が失効したことである。確か大正10年か12年ころであった。元老山県の死去とほぼ同時である。これは何を意味するか、特にアメリカにとって。

日本を攻撃してもアメリカはイギリスから反撃されることがないことを意味する。とてつもなく重要な意味を持つ。日本という鴨をじっくりと時間をかけて挑発し腰の拳銃に手を伸ばした所で殺し屋早撃ちの西部のドンビャクショウであるアメリカが抜く手もみせず日本を撃ち殺すということである。日英同盟が失効してから昭和二十年の敗戦まではアメリカの描いたシナリオ一直線である。オレンジ計画と言われている。

日英同盟はたしか一回延長されたが二回目は日本も延長に真剣ではなかった。これがそもそも、ぼんくらの証明である。勿論自然消滅したのではない。アメリカの執拗な首尾一貫した政策である。日本は日露戦争の勝利、第一次大戦でもぼろ儲けで元老が持っていた用心深さを失った。どうでもいいじゃないの、日英同盟なんて、というのが軍部のおごりであった。

アメリカが日英同盟を妨害した工作は執拗であった。これに気が付かない方がどうかしている。イギリスに対して数年間にわたり周到な外交工作を行いイギリスが延長しないように工作した。

太平洋の安全保障のために四国同盟かな、イギリス、フランス、アメリカ、日本で軍事同盟を作ろうという甘いわなを持ちかけ日本は騙された。終わってみれば日英同盟は失効して、それに変わる軍事同盟なんてどこにもない。

不安になって日独伊同盟とか日ソ不可侵条約を結んだが滑稽というよりほかない。
日独伊三国同盟は負け犬、狂犬と同盟を結んだものだし、日ソ不可侵条約は約束を守るはずのない強盗のような相手と条約を結んでいる。