東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

国勢調査に氏名は必要ではない

2015-09-13 15:14:06 | 国勢調査
インターネット調査の案内を封もしていない封筒で郵便受けに投げ込むというセンスは理解できない。透明のセロファンかビニールの窓から見えるところに、わざわざログインIDやパスワードを持って来ている。なかには乱暴に投げ込んで中身の書類が半分飛び出しているのがあるらしい。

初期パスワードというが、後で替えるからいいと考えているのか。パソコンに慣れないひとはそんなことは分からないだろう。パソコンに慣れたひとでも初期パスワードのまま使う人が多いというのに。

いったい、だれが配っているのだろう。郵便局ではなさそうだ。区役所あたりの職員が手分けして投げ込んでまわっているのか。誤配達など相当のパーセンテージになるのではないか。大体配達扱い者を明記していない書類など誰が信用するのか。

国勢調査の必要性は認める。国の政策の基礎資料になる。そのとおりだ。しかし、それはビッグデータとしての解析分析によって有益な指標になるのであって、氏名等記入を求めるべきではない。

只でさえ、年金やらなにやら行政機関のルーズな情報管理で個人情報がもれることが日常化している。年齢データ、氏名データ、住所データが連動して悪用されると、警察がいくら「おれおれ詐欺撲滅」に予算を割いてもすべて帳消しになる。この辺のちぐはぐなことがわからんのかね。念入りに電話番号まで要求しているのだね(笑い)。

氏名を記入しないといい加減な回答が出るという心配をしているらしい。こういう性悪説で国民を見るのはよくない。それは色々な理由で不正確な記入が出るかもしれない。間違えるとか、質問を取り違えるとかね。しかし、これらの誤記入は常識で考えて無視できるパーセンテージと考えてよい。扱うのビックデータである。誤差等気にする必要がない。

それと、前回は郵送による回答のために調査票を配っていたが、今回はないね。なぜ止めたのだ。あれは便利できっと回答率をあげていたに相違ない。総務省は調査票封入を止めた理由を広報であきらかにすべきである。

インターネットを導入したことは一歩前進だ。しかし、調査票による郵送回答を止めたのは後退である。総務大臣とか総務省等というのは頼りにならないところだ。

民間でもクレジットカードとかポイントカードのデータをビッグデータとして経営に利用していますが、個人情報に関わる部分はわざわざ手間をかけて外して利用しています。国勢調査の場合は最初に氏名記入を求めなければ、そんな心配をしなくてもすむのに、必要もない情報を要求して、あとで個人情報の守秘につとめますなんて言ってだれが信用しますかね。また、そのためには余計な費用が発生しますが、これは国民の税金ですよ。よく考えなさい。

封もしない資料を乱暴に郵便受けに投げ無神経な連中が守秘義務を果たせると誰が思うでしょうか。


「日英同盟」 と第一次世界大戦

2015-09-13 07:35:22 | 安全保障
第一次世界大戦での日本の協力は多岐多数にわたる。これらについて欧米の反応、マスコミ論調を平間洋一氏が羅列している。こう言うことは箇条書きにするか、年表にしてもらいたい。ここでは読後の記憶で述べる。わずか250頁の本であるから読み返して確認すればいいのだろうが、読み返す気がしない記述なので、平間氏には申し訳ないが。

一般にも(どういう意味で「一般にも」というかも縷説しなければならないのだろうが、はしょって)、地中海に派遣した日本艦隊の突出した活躍だけが言及されるのが常である(日本国内では)。しかし平間氏によると、イギリスからの協力要請は無数にあり、それらはいずれも重要な作戦だったようである。これらが日本のほかの著書には載っていないのは問題と言わなければならない。

さて、これらの協力に対してイギリスの反応(主としてマスコミ)はどうであったか。第一に感謝、賛辞があるのは当然であるが、ネガティヴなものも多い。
いわく、いちいち、協力の対価を求めてくる。たとえば、南洋のドイツ領を攻撃占領したら、戦後処理の国際会議で日本の領土に編入することを約束せよ、など。

これはむりもない。日清戦争の三国干渉、日露戦争のアメリカのお為ごかしの講和仲裁により戦後の協定では欧州寄りの結論を飲まされた日本としては作戦開始前にこのような要求をするのは、いわば、経験から得た知恵である。二度と煮え湯を飲まされないための用心である。日本国内の不満沸騰を避けるための当然の措置である。

また、欧州が戦争で苦しんでいるのに日本は貿易で利益追求している。だから協力に後ろ向きだ、という。これなどやっかみに過ぎないのではないか。ま、これら二つの世論の潮流がイギリスの中でも定着したことを留意することが今後の展開を見る上で必要であろう。