東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

自己責任論の胡乱さ

2018-11-10 08:17:26 | フリー・ジャーナリスト

昨日だったか、たしか4チャンネルだったかでフリージャーナリストの自己責任論をやっていたが、どうも整理がされていない議論で、毎回思うのだがもう少し、問題を腑分けしてから討論(めいた)番組を作るべきじゃないかな。

自己責任論がなにか、ということが全然ほったらかしになっている。「世間をお騒がせしたこと、重々許し難し、よってお仕置き申しつくるものなり」ということなのか。

それとも、政府が国民の税金を使っていたのがけしからん、ということなのか。これなら分かる。納税者ならだれでも分かるだろう。だか政府がそのリソース(金、人)をどれだけ使ったかということは明らかにしていないで議論を進めている。はなはだうかつな話と言わざるを得ない。

ちなみに、政府がトルコ政府やカタール政府に借りを作っていたとしたら(十分にありうることだが)その責任は重大である。それは将来日本外交にとって重い負債となる。

もっとも、政府はこういうことは明らかにしないだろうが、マスコミは可能な限り取材し、かつ乏しい彼らのIQを絞って推測を視聴者に披露しなければいけない。そういう作業をするのがマスコミだろうが。

それと気になることはフリージャーナリストが立派な仕事をしていると過大評価することである。

いかなる職業も尊重されなければならない。当たり前だ。ジャーナリストだけが立派なしごとをしているような主張は受け入れられない。ジャーナリスト(フリージャーナリストを含めて)は生活の糧を得るために仕事をしている。聖職のごとく主張することは認められない。

今度の事件で自分の生命の危険を冒して国民に有益な情報を取りに行ったというような議論が、彼らの行動を弁護する根拠として頻出するが受け入れられない。むしろ自己責任と言いうのはこちらのほうだろう。断片的に報道されているところから、安田氏の段取りの付け方は非常にうかつだったようだ。人質になって殺された後藤氏(?)のガイドと承知して仲介を頼んでいたり、前にも同じような取材でイラクで拘束されたりしているらしいから、うかつさは彼の職業的資質に疑問を投げかける。仲間のジャーナリストがその点を指摘しないのは不思議だ。これを同じ穴のむじなというのかな。