東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

NHK改革は雑誌に期待するよりないか

2006-04-17 07:53:51 | NHK

情報流通に関する構造改革として、金銭流通に関わる郵政改革以上に大切なのはNHK問題だ。チンタラチンタラ関係各位は断続的にやっているようだ。時々マスコミにも出てくるが、橋本会長の態度はどうしようもない。片山君とかいう参議院議員もこの業界では幅を利かせているらしくてチョロチョロ出てくる。こういう改革は当人たちにやらしたんでは意味がないんですよ。当人たちというのはNHKもそうだが、わが国政官業癒着の模範モデルである郵政族議員、旧郵政省の連中を含む。世間向けにはコワモテをしているようでも、裏で八百長をしている。

ところで、新聞、テレビはまったく及び腰だ。テレビは勿論自分たちの免許に累が及ぶから最初からへっぴり腰だ。「オイラは立派な町のジャーナリスト」と胸をはれるテレビ局は皆無だからね。みな、すねに傷を持つ。新聞は自分たちの系列のテレビ局を持つから以下同じだ。

とすると、残るは雑誌ジャーナリズムしかない。あるいはブロガーであろうか。雑誌もセン(先)述べた理由で新聞社系は駄目だ。出版社系だね。週刊文春か、週刊新潮か。週刊ポストは最近おかしいし、週刊現代は色がついているようだから期待できない。

橋本会長の態度は従業員あがりの立場である。女郎上がりがおいらん頭取になったようなものだ。今やっているチャンネル、番組、従業員を維持する、あわよくば新入社員もいれて業務を拡大したい。そのためには批判をどうすり抜けていくかという一点に稚拙なレトリックを駆使(?)している。聞くに堪えず、新聞などで報道するに耐えざるものである。

ところでNHK会長の年俸は3600万円だ。従業員上がりには法外に高すぎる。しかし、民間の辣腕家になら年俸5000万円を払って大掃除をしてもらうのは高すぎないだろう。NHKは今の給料を安くすると将来民間から有能な会長がこないと屁理屈をいっているようだが、NHK会長の年俸など国会でその都度決めればよいのだから理屈にもなっていない。

まず、適正規模とはどういうものか、意見を述べなければ話にならない。コスト計算を開示しなければならない(勿論、チャンネル別、番組別にだ)。みずからの公共放送についての見解を明瞭に説明しなければならない。これらの説明は政官業癒着の伏魔殿である国会ではなくて、国民にたいして適切なるメディアを通して伝達されなければならない。

見もしない番組を視聴者が補助(subsidize)しなければならない理由があるのか、見解を明らかにしなければならない。今、NHKがやっていることは、歌謡番組もドラマもゴルフ中継も見ない人たちから、すべて金を徴収してそれらの番組を見るののための費用にしているということだ。いってみれば、税金を国民全部から召し上げて、高速道路財源にあてるようなものだ(今はその逆に高速道路利用者からの料金でまかなっている)。

一般道路は税金で維持されている。NHKは今のすべての番組が一般道路なみの公共性を持っていると主張できるのか。そうなら速やかに国営にしてもらえ。娯楽番組は見たい人間から料金を取ればよい。映画館に行かない人たちから映画料金を徴収して、一部の人たちに本来より安い料金で見せるような政策を国は認めるのか。

これだけ、国民の嗜好が多様化している実態に逆行していること甚だしい。一歩譲って歌謡番組などは大衆(愚衆と言いかけて慌てて言い換える)のマジョリティが見るかもしれない。これは逆に言えば、現代において嗜好マイノリティに対する不当な圧迫ではないか。EUが言うようにNHKのような国民全員にたいする視聴率強制は重大な人権侵害であろう。

過疎地(全国津々浦々というわけだ)へも娯楽番組(痴呆番組といったほうがいいのが多いが)を提供できるのはNHKだけという理屈がある。民放はペイしないからやらないというわけだ。この議論はどんな過疎地にも立派な高速道路や新幹線を、そんなところへ行かない国民全体からの税金をつぎ込んで建設しろという議論と似ている。小泉さん、あんたはこういう不条理を治そうとしているのでしょう。


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