とうとう本物になったね。俺の予感が。
ミッキー・スピレーンの小説にBig Killというのがある。不細工に訳せば「大いなる殺人」となる。日本語の翻訳もそうなっている。これには読んだ時からこの訳でいいのかと疑問に思っていた。スラングじゃないかと思って調べたり聞いたりしたが分からなかった。
トランプの勝利は大国アメリカを殺すかも知れないという意味でビッグキルだ。同時にビッグキルというのは競馬世界のスラングで大穴というか番狂わせという意味があるのではないか。昔読んだ時に調べたが分からなかった。なぜそう思ったかと言うと、小説の筋からすると「大いなる殺人」なんか小説の何処にもないんだよね。気の触れた主人公が機関銃を撃ちまくって大量殺人をする訳でもない。
随分昔に読んだ小説で筋は正確に覚えていないが、プロの窃盗集団がまじめな財務職員を仲間に引き込むために競馬に誘い、どうせ八百長をしていたのだろうが、大穴馬券を当てさせる。そして競馬狂いにする。そのまじめで小心なサラリーマンをまんまと仲間に引き込む。そうして金庫の組番号を聞き出して大金を盗むとか言う話だったと思う。どこにも「大いなる殺人」はない。このサラリーマンもたしか御用済みなって仲間に殺されたんじゃないかな。いずれにしてビッグキルじゃない。ペティーキルだ、いうなれば。
ビッグキルを連想させるのは、その競馬の大穴配当しかないと思ったわけ。でトランプの勝利は番狂わせという意味でビッグキルである、と同時におそらくアメリカに大損害を与えるという意味でビッグキルは「大いなる殺人」である。うまくまとまりましたかな。
だれかスラングに詳しく、アメリカの競馬にも詳しいひと、ビッグキルに大穴という意味があるかどうか教えて。