東方のあけぼの

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ちいせえ、ちいせえ、北方領土はアラスカに達する・2

2009-05-30 11:13:30 | 社会・経済

日本人は言うことが小さい。なぜ千島列島全部とサハリン南半分の返還を要求しないのだ。

第二次大戦でのソ連の日本領土略奪が不法であるなら千島全島とサハリンの返還を要求しないのか。ソ連が日本との不可侵条約を一方的に破って強盗をしたならば。

いわゆる北方四島に要求を限るのはアメリカ占領軍が認めてくれる上限だからだ。それだけの理由である。徳川幕府がロシアと結んだ条約で四島が日本領土であるというのが根拠らしいが、これを歴史的データとしてならともかく、要求の根拠に持ってくる理由は全くない。

もしそうなら、四島以北の千島列島は日本とロシア双方が勢力を持つ雑居地で帰属は明確になっていない。明治政府になってから同じく日露雑居地扱いだったサハリンをロシアに譲った交換条件で千島列島全部が正式に日本領になった。

徳川幕府と帝政ロシアの了解ではサハリン(樺太)は両国のいずれもが勢力を持つ雑居地であった。それが明治何年だったか(十年代かな、榎本武揚が外務大臣だったころ)の日ロ条約で、日本は千島列島全部、ロシアは樺太全部を持つことになったのだ。

その後、日露戦争の勝利で日本はさらにサハリン南部を日本領土とした。このくらい小学校でも教えろ。

スターリンは日本北方領土の略奪は日露戦争の復讐であるとロシア国民に説明した。そうなら日露戦争で奪われたサハリン南部だけにしろ。

一方で驚いてはいけないが、北方領土返還はあきらめろという意見にも十分な論拠がある。以下次号