そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

そりゃ独立国家でないサ

2006-09-04 | 市場経済

”食料を自給しない国家化独立国家ではない”これは、元フランス大統領ドゴールの言葉である。グローバル経済を推し進めようとする側から見ると、古い言葉と一蹴されそうである。しかしながら、独立国家が必要で欠くことができないものを、特定の国家に依存することはが果たして独立国家といえるであろうか?国家間で、一時的蜜月期間があったとしても、利益をどこまでも共有することなどありえない。今回のイランの核開発を巡る動きがその良い例である。アメリカに追随しようとする日本政府が、20%も石油を依存しその開発に多額の投資を行っているイランを、経済制裁などできるわけがない。

人間にとって食料は欠かすことのできないものである。どういった形でも必ず供給されなければならない。しかも人間の生命存続と健康保持のために、量だけでなく質も問われなけらばならない、極めて基本的な「商品」である。効率優先の市場経済からすると、基本的なものというより特殊なものになってしまう。グローバル経済社会は、食料の量も質にも関心がない。あるのは、価格だけである。

この地球上の人口は60億を少し上回ったところであるが、様々な試算の楽観的なところでも80億を養えるか疑問である。食糧危機は必ずやってくる。グローバル経済社会は、遠からず食料を戦略物資とする時代が来る。食料の多くを他国に依存しながら、肥満と食べ物の多くを廃棄する日本がいる位置を確認するべきである。つい60年ほど前まで戦火を戦わせたアメリカを、同盟国などといっていられるのは今だけである。

マージャンの強い知人に「弱きを叩き、強きにには抵抗しないことである」と勝つ極意を教えられたことがある。市場経済とはまさしくこのことである。わが国の食料自給率は実質20%程度である。

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