何としてでもアメリカ産牛肉で、ギュードンを作りたいらしい。安いのが売りのこのギュードンは、輸入停止前の2~3倍する価格になったアメリカ産牛をどのように反映しようとしているのであろうか。関連業者は、吉野家がアメリカ産牛肉を使ってくれて、消費者の拒否反応が薄くなるのを期待しているのである。安くなければ、ギュードンの価値がない。
本ブログでは6月24日、7月6、11、27日8月27日と再三にわたってBSE(狂牛病:牛海綿状脳症)について述べてきた。が、今後アメリカから輸入される20ヶ月未満の牛肉は、BSEだけでなくホルモン処置や飼育形態を検証する必要がある。
牛が若くて成長している間は飼料効率が極めてよい。人でも発育期に食べるとうんと大き くなるのと同じである。牛はこの時期に濃度の高い穀物を与えることで、肥育効率を上げるのである。若いから多少の無理にも耐えて病気にもならない。こうして集約的に飼育された企業的肥育産業は、十数ヶ月で牛を市場に出すことになるのである。消化器病や循環器病になる前に出荷されると言っても良い。
アメリカ産牛肉を20ヶ月以下を検査対処から外すことには、このようなアメリカの企業的肥育産業への配慮からである。草を主体に飼われた健康な牛は、運動量も多く肥満にもならず成長が遅いので、20ヶ月を越えてしまう。健全なアメリカの肉牛農家の健康な牛肉は、日本には輸出されることはないのである。