原子力発電ははどのように弁解をしようとも危険な施設には変わりない。原発の現場の修理人である平井さんという方が、率直な声を上げて施設の不完全性を訴えていたが、自らは白血病で亡くなられた。そんあこともあって、原発反対というと、現在日本の30%を超す量の電気を生産している施設は壊すわけには行かない。と、反論が帰ってくる。原発の最も本質的なことは論ずることはない。これはいかにもおかしなことである。が、これに類したことはこの国には数多くある。
私たちは、日本は軍事力を持たないと教育されて育った。憲法を読むと、どう見ても自衛隊の存在は憲法違反としか解釈できない。そこで、自衛隊反対というと、現にこれで生活している人がいるし、多くの地域を支えているし、災害時には活躍していると言われる。第一、北朝鮮などが攻めてきたらどうするというような論議になってしまう。ここでも、憲法論議や戦争に対する話などされることはない。
アメリカのイラク侵略は根拠がなく問題だ。というと、混乱状態にあるイラクを今更見捨てるわけにも行かない、となる。根っこの論議は問われることがない。
「今あるのだから仕方がない」論は、現実的な論議であるが、基本的なところを論議しないで、なし崩し的に現在に至っていることが問われるべきなのである。
食料も、自給するといってもこれだけ海外に依存しているのだから仕方ない。総理大臣が靖国に参拝したいと言っているのだかから、仕方ない。こんなに自動車があふれているのだから仕方い。・・・この国には、仕方ない、なし崩し論がいっぱいである。