ウォルマー社が、西友を完全子会社化した。これは今までのこの会社のアメリカでの活動を見ると、彼らの目的の一つを達成した感があるように思える。
ウォルマー社は、世界最大の小売り販売業者である。販売額を、GDPとして評価しると世界第19位の国家に相当する世界最大の企業である。雇用労働者は160万人になり、ペンタゴンと太いパイプもあり、政治的影響力も強い。巨大な資金力と、ICタグ技術で世界を席巻する。
この会社は、アメリカの地方に進出して、安売り合戦を繰り返し地域の業者を潰してしまう。その後、地方で販売効率が悪いとなると早々と撤退して、地域の疲弊を促進させることの一役買っている。ウォルマー社の進出で閉店に追い込まれた店舗 が、1万3000店に及ぶと言われている(UFCW:国際食品労働組合)。
さらに影響のあるのが、労働条件を悪化させたことである。社会保険も年金も負担しない、時給労働者を主体にしたことで、コストの低減をなし労働市場を混乱させている。進出した地域に限ることなく、労働条件レベルを極端に劣化させている。
政治力を駆使して、進出地域や国家に道路や港湾などのインフラを整備させ、他企業をの条件格差をもうけたり、
イギリスでは、1990年代になって、郊外の大型店舗の進出に規制を加えるようになった。日本は、小泉・竹中路線が規制撤廃に動き、相当程度のチェーン店の進出が地方の疲弊・格差を増大させている。ウォルマーの進出で、日本がウォルマー化する条件が整った感がある。
ウォルマー社の日本進出には、大きな規制を加えなければ、巨大し資本と政治力を駆使した企業に席巻され、格差はさらに広がることになる。