そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

畜産振興のなれの果て

2008-10-19 | 政治と金

40年前に、日本の畜産は欧米に追いつけ追い越せと、檄を飛ばされ巨大化した。獣医学も、教育の場をはるかに超える疾病が続出してきた。

日本の農業は、都会の所得に肩を並べるようにと、規模拡大を行った。そして、稲作は1.7倍になったが、酪農は30倍、養豚は450倍、採卵鶏に至っては1200倍にもなった。

畜産振興は、他の農業に比べ成功した感がある。卵は物価の優等生と持ちげられ、牛乳は30年もの間市場価格は変わっていない。スーパーでは、目玉商品として卵や牛乳を出すのも定番になっている感がある。

規模拡大が成功するためには、恒常的に安価な輸入穀物が必要となる。規模拡大も高能力の追求も、穀物を大量に消費するためのものである。

食糧基地を守れと、畜産家が訴えているが実は消費する食料の方が圧倒的に多いのである。Photo畜産業は食料消費産業でもある。

この図は、アメリカのIATP(農業と貿易に関する研究所)が発表した、バイオエタノールを生産すると、輸出するコーンがなくなるという数字である。クリックすると大きくなります。

政府の方針が50%成し遂げられると、現在のおよそ3分の1、75%達せられると輸出するコーンがなくると言うのである。残念ながら、政府の思惑やも込みを超えてバイオエタノールへのシフトが早い。

消費者も規模拡大による恩恵を受けてきた。畜産農家も今までは利益を十分上げることができた。いびつになっている畜産形態を直すのに好都合な時期ではある。さて、日本の畜産農家はどうするのか。

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