サブプライムローンの破綻から、1年が経過した。マーケット(市場)がすべてを決定する、政府は小さくなければならないとする、新自由主義者ブッシュにとっては見つめるしか、手はなかったのである。
ブッシュは暴力大統領のイメージが強いが(それはそれで良いが)、彼はれっきとした新自由主義者である。小泉・竹中路線も同様である。彼らにとって、弱者は市場の厄介者なのである。
サブプライムローン破綻が起き長期化しても、弱者は社会の底辺に落ち着くべきとブッシュは無策を通した。やがて、リーマンブラザーズの破綻に至り、それこそ市場は不信用から金融危機を招いたのである。
今回やっと世界各国の要請に渋々、公的資金の投入に踏み切ったのである。多極化に向かう中でも、世界経済におけるアメリカの位置はいまだに大きいものがある。
サブプライムの問題は、看過するほど小さくはなく市場に修復能力がなかったのであるが、何よりもこの時点で手を打つべきだったのである。その時点で救済手段を行っていた場合の、数万倍の公的資金の投入になったいわれている。
今回の金融危機は、明らかに新自由主義者たちが、イラク戦争の経済的な負担に苦慮する中で起きた、弱者切り捨てに起因するものである。やがて金融恐慌に至る可能性も残っている。