そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

拉致問題の教訓

2008-10-15 | 朝鮮半島

北朝鮮問題については、残念ながら以前から何度も私が指摘している結果になってしまっ。素人目にも解ることを、この国は何もできないで周辺で起きたことを、ただ見過ごすばかりである。

まずアメリカは、わずか数十人の消息を騒ぎたてる日本の主張を、全く無視したのである。北朝鮮はすっかり読み切っていた感がある。アメリカがテロ指摘国家を外すと、今までになかった速度で核無能力化への動きを活発化させた。

韓国でさえ、テロ指定を外したことを歓迎している。拉致を口実にして、エネルギー支援をやっていないのは日本だけとなった。日本は、北朝鮮の核の無力化に対して、態度がとれず全く無関心の国家となってしまった。金日成の術中に嵌った感がある。

6者会議での日本は孤立することになる。拉致は北朝鮮と日本の問題に限定されて、日本は封じ込まれた。北朝鮮は、政権交代を理由に拉致の調査も中断してしまった。もう打つ手はなくなった。

どうしてこのようなことになったのだろう。私に友人が、新潟で横田めぐみさんを救う会を立ち上げたころには、厚生省も外務省も門前払い以前の強硬な態度だった。国内では、親北朝鮮の与野党議員が外交問題を理由に、抑え込む態度で対応され、進展には程遠いものがあった。

要するに、日本には外交についての基本的な主張がなく、事なかれ主義で通してきたことが、今日の事態に至ったのである。官僚外交が行き詰まったといえる。

そもそも、拉致問題につても発生から30年も経って騒ぎ出す愚鈍さに、国家としての威信も責任も感じられない。その延長上に日本外交がある。

アメリカにはすでに、超大国としての威信も実力もなになってしまっている。日本は、多極化する世界情勢にあって、アメリカに従ってさえいれば、世界の外交がうまくいくといまだに信じている。

テロ特措法にしても今回の拉致問題にしても同じことである。日本にとってアメリカは唯一の友好国だと日本政府が宣言しても、アメリカにとって日本は唯一の友好国どころか最早捨てパイでしかないのでないか。

日本は、北朝鮮に限らず国際社会での位置を失いかけているといえる。軍事力に頼らない平和外交を徹底せずに、今日に至った以上その反省をするべき時なのである。

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