インターネット上の仮想通貨、ビットコインの取引所を運営する「マウントゴックス」は、今日(28日)東京地裁に民事再生法の適用を申請し、保
全命令を受けた。
日本時間の25日昼ごろからサイトがアクセス不能になり、全面取引停止となっていた。都内で記者会見したマルク・カルプレス代表取締役は「本当に申し訳ありませんでした」と謝罪した。
不正アクセスによって、68億円がなくなったというのであるが、この時点でビットコインそのものが存在しなくなった。現在の法律では、破たんした方も金を失った方も何の罪も補償も問われることもなく、犯罪そのものが成立しない。
仮想通貨と表現されているが、そもそもこうした通貨は存在していない。ネット上で行われている、デジタル通貨であり購入者の支えによって成立する、分散型通貨とも言われ、仮想というより架空の通貨である。
人類が生きるために産業を興し、相互に商品兌換の基準として通過が存在したはずである。その背景には、懸命に働く人々やお互いに支え合う、社会の基盤が存在していたはずである。通貨はその実態の表現でなければならない。
ところが、社会主義圏の崩壊以降、虚業と言える金融産業が、実体を伴う実産業を支配するようになってきた。株価の上下が景気の基準になったり、インフレにならなければ社会は良くならないという判断は、金融の身勝手な基準でしかない。
実業は金融とは関係なく動いている。その典型が、金融工学と言われる技術で、短期間に多額の売り買いをネットで行う人たちである。取引ごとに課税をするべき(ドーピン税)との主張もあるくらいである。
金貸しが世の中を動かす、あるいは金が金を産む社会は、金融資本主義と呼ばれて、異常であることに気が付かなければならない。
ビットコインの消滅(破たんでない)で、今後手を変えた新たな架空通貨が生まれることも予測される。