東電は福島原発の、「H6」エリアのタンクの上部から、水が(汚染水とは言っていない)漏れているのが見つかったと、発表した。過去最大の汚染水の漏えいである。100トンを超える量であるが、東電は必死に海水への漏水はないと発表した。
タンクに至る配管の一部が開いていたが、これを閉じたところ漏れは収まったということである。極めて初歩的な、人的ミスである。汚染水はスト
ロンチュウムなど、2億400万ベクレル/リットルとのことである。極めて重大な事故であるが、冬季オリンピックに沸く中での報道は小さい。
オリンピック誘致で、安倍首相が0・3キロ平方に抑えていると、見えを切ってくれた恩義に対してであろうか、放射能の海への漏えいはないとしている。(東電は海への漏水は確認されていないとの言い回しである)これは、どう見ても辻褄がが合わない。これほど大量の汚染水が流れ出していたのである。
これまで何度汚染水が、コントロールされていない状態が発表されたことであろうか。それでも原発再稼働への道を開けている日本である。
福島原発は、戦時中の特攻基地のあったところで少し高台になっていた。これを、アメリカGE社の指示で海水が取り込まれるように、海面近くまで切り取ったところである。
雨が降れば過去の地下水に沿って水が集まる。そこにはすでに台地はなく削られていても、地下水脈の記憶は失われない。
東電は、凍結壁を地下に打ち込んで、地下水からの海への漏水を防ごうというのである。滑稽としか思えない。過去に例がなくどれほどの効果があるかもわからないが、金だけはかかる対策である。
当初の予測を超えて、廃炉にするまで50年以上かかるのではないだろうか。愚かな行為としか思えない。
これほど単純な事故は数多く発生している可能性もある。彼らの事故対応能力も十分あるとは思えない。