そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

集団的自衛権という戦争理由

2014-02-06 | 政治と金

安倍首相は、「集団的自衛権行使はは憲法を変えなくても、解釈の変更で可能である」と明言した。その一方で、憲法96条の改定に意欲を見せている。どこまでこの男は、戦争できる国にしたいのか、Photoそのためなら何でもやるという姿勢である。

そのことを明快に説いてくれている本に出会った。「殺す理由」ーなぜアメリカ人は戦争を選ぶのかー 紀伊国屋書店刊リチャード・E.ルーベンスタイン著 小沢千重子訳 2,500円である。
著者は、古くから持つアメリカの戦争理由を引き合いに出しながら、現在も変わっていないアメリカの体質を説く。独立以降、250回以上海外で軍事行動を起こしてきた理由も分かる。
著者は、第二章で”自衛の変質”と特別設けて、国民を戦争へと駆り出す手法を、看破している。
『世界のどこであれアメリカの軍隊や民間労働者が攻撃されたら、理由のいかんを問わずアメリカは反撃する権利がある。(中略)もし私たちが(フセインが大量破壊兵器をもっていたとかのような)誤って確信していたとしても、彼らが反撃してくれば、それを唯一の根拠として、反撃は自衛行為と呼ばれることになる』というものである。
ブッシュ大統領は、われわれに付くかテロの側につくかとすごんで見せたが、彼らがテロとラベルを貼った中には、純粋な民族独立運動や国内政治闘争が数多くある。中国やロシアにとってはうってつけの材料となり、国内の民族闘争や独立運動を武力弾圧する根拠にしている。
自衛権の発動を限りなく広げたアメリカを同盟国と位置付けて、日本の自衛隊は集団的自衛権行使可能の対象にしようとしているのである。
本書は戦争に駆り立てるために、相手国を徹底的に悪魔に仕上げると説明している。はたして戦争は最後の手段であろうか。それまでにするべきことはなかったか、というのが著者の問いかけである。
自衛権は人の正当防衛にあたると説明されるが、国家間では事実は捏造され、攻撃理由を探しているに過ぎないのが”自衛権”の実態と言える。
ましてや”集団的”となれば何でも攻撃理由になる。その組む相手がアメリカなおさららである。

コメント (4)
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