今年は、FAO(国際連合食糧農業機関、 Food and Agriculture )が決めた「国際家族農業2014年」の年です。世界は1973年の食料危機と、2008年のリーマンショックを受けて、食糧の安定供給を模索しています。
世界的に食料が足らない現実を日本人が実感しないのは、豊かな国家に住んでいるからです。人口問題も環境問題も、食糧問題に集約されますが、これらは不可分の関係にあります。それらのすべてを解決するのは、家族農業です。
家族農業がなぜ今見直されるのか?
FAOが、家族農業あるいは小規模農業を支援する理由は沢山ありますが、次の3点に要約されます。
① 食糧を安定的に供給するには、最適な方法だからです。家族農業は、機能的であり災害や紛争などの影響を受けにくいからです。
② 生産重視の農業形態は、安全に疑問のある農産物を世界にばら撒いてきましたが、伝統的な農法を重視する、家族農業は質的にも量的にもそうしたことがない。
③ 結果的に環境に優しく、地域経済と地域のつながりを強くします。漁業も林業も同じことが言えます。
翻って、我が国は日本の農業あるいは世界の食料について、どのような政策をしているでしょう。攻める農業と称して、規模拡大に優先的に政策援助をし、家族型農業を潰す方向に走っています。
アベノミクスは大型企業と都市の人々の懐ばかりを潤し、胃腑を満たすことは考えていません。世界の貧国から収奪をして、富める国家の経済・金融が金銭的に満たされることしか考えていません。
日本は国連の2番目の出資大国です。国連の提案を率先して実行するべきなのです。そして、農協などもアベノミクスの誤魔化しから脱却して、家族農業を守り地域経済を守って行くべきなのです。
それにしても国際家族農業年を全く報道すらしない日本、そりゃおかしいゼ。