最早日本はバッハIOC (国際オリンピック委員会) 会長たちの僕(しもべ)と化してしまっている。彼らは東京オリンピック開催に向けて言いたい放題である。
「アルマゲドンでも起きない限り開催する」「緊急事態状態でも関係なく開催する」「菅首相が中止を決めても開催する」
こいつら一体何者だ。日本には主権も何もないのと同じである。しかしそれもやむを得ない。日本の国権の最高地位にいる菅義偉首相は、だんまりである。
IOCのお偉方の言い分は根拠がなくはない。菅義偉はIOCの言われるまま、なすがままであるからである。オリンピック開催について、安全・安心以外の見解を持たない所詮哀れな傀儡(くぐつ)でしかない。
菅だけではない、丸川珠代オリ・パラ大臣は、アメリカの医学専門誌ニューイングランド、シャーガル、オブ、メディシンに対策が不十分だと指摘されて、「明確な事実誤認がる」と無根拠の反論をしている。専門家の意見を真摯に聞くはずでなかったか。ど素人が反論してどうする。
橋本聖子組織院長は、「観客受入れ人数の上限は、緊急事態が解除されてから決める」と言うのである。解除されない可能性の方が大きい現在、見解を持たないというのである。最大無観客開催の意見が広がる中に、なんと見無責任な発言かと思われる。
国民のほぼ80%がオリンピック開催に疑義を抱いている現在、政府内でもオリンピック組織委員会でも、中止の意見もなく検討すらしないという、硬直した組織がオリンピックに係わる団体である。IOCの傲慢な態度に、誰一人として口を出さない。
中止を言い出せる人物を探すと僅かな可能性を持っているのが、小池百合子である。来月の都議選に、オリンピック中止を都民ファーストに掲げさせれば、圧勝間違いない。彼女はそこで失うものと得るものを天秤にかけて判断して、中止を打ち出す可能性を模索するだろう。もうとっくにやっていて、そのタイミングを計っているやもしれない。最大のリスクとなる自民党を敵に回せるか、国政復帰を断念するかである。このところ黙している彼女の存在が悩ましい。
こんな不浄なことでしかオリンピックは止まらないだろう。