そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

「前代未聞の大規模買収事件で様態が悪質」と検察に言わしめた河井克行

2021-05-01 | 政治と金

検察にも僅かながら理性が残っているのか、それとも安倍晋三が仮病で引っ込んでくれたからだろうか。
2019年7月の参議院選挙の河井克行の論告求刑公判が30日に東京地裁であった。検察側は「前代未聞の大規模買収。選挙の公正さへの信頼を失墜させた」「案里の当選という目的を果たすため、まさに票を金で買おうとした。酌むべき事情は一切ない」と、これまでなく踏み込んだ犯罪内容の表現をした。そして懲役4年、追徴金150万円を求刑した。5月18日に弁護側の最終弁論で結審し、6月以降に判決が言い渡されることになる。
既に公選法違反罪で有罪が確定している案里の選挙を取り仕切った「総括主宰者」として、克行は起訴されているので有罪であれば通常の買収より重い4年以下の懲役か禁錮、または100万円以下の罰金となるのであるが、ほぼその最大を求刑したことになる。
検察側は論告で、自民党本部が党広島県連の反対を押し切って案里を擁立し、厳しい選挙戦が予想されたと指摘し、克行が票の取りまとめのため、地元議員ら100人への現金約2900万円の配布を「首謀した」と述べた。当初は無罪を主張した克行は、信仰する人物から諭され3月の被告人質問で一転して買収を認めた。
自民党本部は参院選前、夫妻の政党支部に破格の1億5000万円の資金を援助した。援助を決めたのは、安倍晋三総裁であり二階俊博党幹事長である。起訴内容となった陣営スタッフへの現金の一部は、この資金が原資である。克行は「政党支部職員への給与だ」と今でも主張し、買収の金は自前のものだと主張は変えていない。安倍晋三への恩義を通しているのである。しかし、論告では「選挙運動の報酬で買収に当たる」と指摘した。
この選挙違反で奇妙なことがある。買収事件では現金を受け取った側も被買収罪に問われるものであるが、地元議員ら100人は誰も起訴されていない。うち94人が違法性を認めており、弁護側は「裏取引」を疑い公判の打ち切りを求めている。裏取引があったことは確かなのであろう。検察は証拠不十分で起訴できないと判断したのだろう。
それにしても、1億5千万円配って選挙カー上で「アンリ、アンリ、アンリ、アンリ」と、品なく、意味なく、絶叫していた安倍晋三は、何の罪にも問われないとは、この国がいかに不健全であるかを物語っている。

コメント (4)
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