アイザック・アシモフのロボット工学の三原則(Isaac Asimov's three laws of robotics)しばしばロボットを登場させたSF作家アシモフの、不安を感じる人類へ提案である。
- 第一条ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
- 第二条ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
- 第三条ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
幼い頃科学省であった。手塚治虫の鉄案アトムを通じて、21世紀は科学の力で人類は平和になると信じ込まされていた。ロボットは科学の象徴であったが、アトムを通じて人類に奉仕する使命を、手塚は描いていた。アシモフの提言に沿ったものといえる。これに反するロボットをアトムがやっつけるのであるが、アトム必ず勝つという筋書きである。
この夢物語が現実になったのがAIである。遺伝子解析にほんの少し前まで一年かかったものが、AIを駆使したシークエンサーによって、数日で解析で気つようになったが、それもやがて数時間になるのであろう。
囲碁やオセロなどの活躍は予感させるものであったが、ChatGPTの登場で世界は大きく変わった。膨大な情報を見事に整理するが、企画書などの制作にはもってこいのAIロボットである。
多くの分野で人間の作業を遥かに凌駕する能力を見せている。本能的に機械に支配されることを嫌う人たちが多いが、嫌っている間はその通りになるであろう。使いこなすべきであろうが、人から考える作業を取り上げられかねない。
テレビ番組では、ChatGPTの解説の間違いを指摘してダメ出しをしているが、そんなもの直ぐに解決してくる。この化け物のようなChatGPTの本質ではない。例え人から創造性や努力や奪ったとしても、この有能なAIを利用しない手はないだろう。これまでも多くの機器や文化や道具によて、もうすでに多くの人の感性を人類は失ってきている。
アシモの三原則を念頭に、今更廃棄できないのでれば、利用する以外に方法などない。