択捉島でロシア軍が、敵国の上陸作戦に向けてのだ大々的な訓練をした。歴史的経過も現状も異なるが、外形的にこれは台湾問題と酷似する。
実効支配するロシアから見れば、自国領土と主張する隣国の武力行使に対する備えである。日本政府は自国領土での軍事訓練に抗議をする、お決まりのパターンである。
ロシアがウクライナのクリミア半島を武力で制圧し、この成功を背景に今度はウクライナ全土を視野に侵略し、中国が香港を事実上一国二制度を廃止し自治権を奪った。
こうし世界情勢を背景に、中国が武力侵攻した場合どうなるのかと、俄かに台湾問題が大きく浮上してきた。中国の世界進出に政治的な対立を露わにするアメリカは、台湾を中国の一部と認めながらも、積極的に台湾政府を支持する。
ロシアはロシア自身が引き起こした世界情勢の変化を、千島列島に置き換えたロシアの軍事訓練である。台湾の軍事訓練を当然として支援すらするアメリカやEU諸国は、ロシアの千島での軍事訓練をどう評価するのであろうか。
千島列島を故郷と主張してみても、ロシアが実効支配してからも77年も経過している。彼らの領土感や祖国感を、感情的な視点から唱えるには、日本では一世の人が消えてゆく中、ほとんど意味がなくなってきている。
北方領土は安倍晋三が、3千億円のノシ付けてプーチンに献上している。安倍晋三が何度も口にしたように、我々の世代で決着している。日本の報道は疎く決着した事実を伝えない。日本には千島列島に口出す権利を失っている。
こうしたことを背景に、日本は既に実効支配しる国がその地を守る軍事訓練に対して、抗議する法的基盤も社会的背景も失ってしまっているのである。中国の台湾侵攻を認めないなら、千島への発言を控えるべきである。