デング熱が人々を惑わさせている。今日、ホームセンターに買い物に行ったら、入り口にドーンと、殺虫剤や虫よけスプレーやグッズが大量に並べられていた。これには少々驚いた。
日本の隅っこで冷涼な北海道も、マスコミ報道は流れてくる。みな怖れて蚊に刺されないようにするのである。蚊の擁護をするつもりはないが、蚊には何の罪もない。
デング熱は、代々木公園に行った者だけの発病である。保菌者を吸った蚊がいて、さらに別の人の血を吸って感染が拡大する。これは、最低でも数回は繰り返さなければ、これほどの広がりはない。蚊は短命であることを考えると、余程偶然が重なったと考えられる。
東京都は感染の拡大を見て(発病人数の多さと言った方がいいが)、公園全体に防御服に身をまとって殺虫剤を散布した。薬剤の報道は確認できなかったが、
多分スミチオン製剤であろう。
これは、蚊だけを殺すわけではない。ほとんどの微小昆虫を殺すことになる。大型の昆虫もかなり死ぬであろうし、食物連鎖が断たれるので少なからず、この公園にいる生き物たちは影響を受ける。
この公園に行ったことはないが、ポツンと大都会の中の緑の島になっている。せめて緑の回廊として、どこかにつながっていればと思うが、自然界の生態系を保っているところとは言えない。そのため強く言うつもりはないが、半人工的であっても昆虫や鳥たちは、作られた生態系の中で、生命をつないでいるはずである。
一方的に昆虫を殺すことは、少なくとも今年の大型生物の命もかなりの影響を受けることになる。作られた緑の中でも、生命はつながっている。
右の写真は、知人の酪農家の乳牛が水を飲むための桶である。ボーフラがいっぱい湧いたり、藻などが繁茂して水が汚くなる。そこでこの
酪農家は、春に桶の中に金魚を入れた。
すると水は澄んでボーフラなど湧くことがなくなった。秋になって氷が張るころに集めるということであった。金魚に餌などやらない。桶の掃除もやらなくなった。(クリックして金魚を見てください)
金魚にしたのは、赤くてよく見えるからという説明であった。牛が飲み込むことなどないとのことであった。見事なビオトープと言える。生態系を巧みに利用して、人間の都合の良いように仕向けた酪農家の知恵である。
代々木公園の蚊は、間もなく一旦死滅する。秋まで公園の使用禁止すれば済むことである。昆虫を一網打尽にする殺虫剤散布は、いくら都会の人工的施設といえどいただけない。何かほかに対策はなかったかと、苛立つ都会人の知恵のなさを見た気がする。
事実と現場から生まれた確かな論評を楽しみにしております。
さてデング熱ですが、私はこのニュースをかなり唐突なものと感じていました。
こういう時はなにか権力のご都合が絡んでいるものです。
というわけで調べてみたところ、やはり日本でデング熱が発症しているのは今年から突然ではなく、逆に今年は患者数は減っているようです。
http://www0.nih.go.jp/vir1/NVL/dengue.htm
ここの資料は発祥地を代々木公園だけに限定したものではありませんが、昨年までまったく話題になっていなかったものを「代々木公園」を主語のようにして取り上げるのが不思議です。すぐとなりの明治神宮でも出ると思われるのにほとんどその報道がないのは、明治神宮は「聖地」だから病気はありえないということ?
すると別のところから話が入りまして、代々木公園を悪役にするのは、あそこに集まる反原発集会を規制したいからだという噂。
ああそうか、それなら元々デモや集会がない明治神宮がはずれるのもすっぱり理解できた次第です。
そういう手を使う行政の狡猾さ、それにきれいに歩調を合わせ疑問を提示しないマスコミに改めて恐れを感じています。
やぶからぼうに、殺虫剤まいても全部の蚊が死ぬ訳でもありません。
異常発生している訳でもなく極力、刺されない服装して行くのが普通です。
ぼくは当時、神宮橋に10分程の所に住んでいました。
代々木公園でよく早朝ジョギングをしていました。
東京オリンピック誘致のため、
公園にさまざまな手が入るようになりました。
アーチ、花壇、建物などです。
そして、噴水のある大きな池の水を抜き、
底をコンクリートて固めてしまいました。
野鳥もそれから来なくなって行ったと思います。
記録を取っていないので確かなことは言えませんが、
カルガモも来なくなったように覚えています。
原因は、これらの工事によって、
来園者が増えた為もあるかもしれません。