中東情勢がイランのパチンと打った攻撃が可愛くもあるが、国内向けのまずは近隣のイラクの米軍基地攻撃をイランはしたが、アリバイ工作程度でしかない。
急進派のアフマデイネジャドから穏健派のローハニが大統領になって、ようやくドイツや国連の仲介があって実現した核合意を一方的に破棄したトランプ。更にはイランに経済制裁を圧倒的に進めたトランプ。そして今回の他国の首都でのイランの無人機による国家の要人を平然と殺害したトランプ。世界はこのトランプの蛮行をほとんど非難しない。
その後に起きるイランやシーア派の報復と、アメリカの反応を予測する論議ばかりである。トランプに限らずアメリカは中東で自分たちが作り上げた武装組織や政権など、支援しては破壊し、破壊しては作り上げることを繰り返してきている。イランを攻撃するためにイラクのフセインに武器や資金を与え化学兵器まで持たせている。
ブッシュはその男が大量破壊兵器を持っていると真贋を確かめることなく、侵攻し武力によって政権を打倒した。IS相当のためにイランのソレイマニの力を借り協力している。そのISの本態はアメリカが武器を与え組織させた部隊である。911同時多発テロを主導したとされている、アルカイダのサウジアラビア出身のオサマビンラディンは、ソ連のアフガニスタン侵攻に対応するためにアメリカが銃を持たせた人物である。
そして今回のソレイマニ司令官の暗殺である。なのに、世界は猛然とアメリカを非難することをしない。超巨大国家の横暴には、せいぜい”自粛”や”冷静な対応”という程度でしかない。
パリ条約離脱にもイスラエルの首都移転やゴラン高原領有の正当化にも、少なからず声を上げた世界のメディアも政権も、ソレイマニ暗殺には寛容に見える。