メロンやスイカを選挙区に配ったり香典を秘書に持って行かせたりと、公職選挙法違反をめぐる疑惑で昨年10月に経済産業大臣を辞任した菅原一秀。9月に初入閣して、翌月辞任は河井克行より1週間早い辞職であった。女癖の悪いことではとりわけ評判が悪い菅原である。女は25までとか、子供を産んだら女でないとか、女性に対しては下げ死澄んだ言葉を吐く。
閣僚辞任ライバルの一週間後に辞任した河井克行は、妻ともども逮捕されて現在大騒ぎの中にある。河井夫妻の逮捕、元法務大臣の逮捕、国会議員の夫妻の逮捕という前代未聞の大騒ぎを、菅原一秀は巧みに利用している。10月の辞任直後は説明責任を果たすと何度も述べていたが、お決まりの「体調不良」という詐病を理由に説明責任どころか、国会を長期欠席することになる。これは河井夫婦も同じである。
安倍晋三側近の克行の逮捕、1億5千万円の自民党からの選挙資金、安倍晋三の怨念、100人もの議員への現金、前法務大臣の逮捕、国会議員夫婦の逮捕という、話題性も規模も圧倒的に河井夫妻の方が話題性が高い。こんなところで早(菅原)慶(河井夫妻)戦であるまいに。
菅荒一秀はそれを待ったいたのであろう。16日に記者会見し、「私の認識が甘かったと大いに反省している。改めて原点に戻って、法令遵守を徹底した上で、国家・国民のために精進したいと考えています。本当に本当にお騒がせ致しました。申し訳ございませんでした」と述べ改めて、自民党離党や議員辞職を否定した。
二階幹事長の言う小物はこいつである。本人は説明責任を果たしているつもりかもしれないが、どう見ても火事場泥棒ならぬ、火事場の夜逃げのようなものである。
報道はほとんどない。菅原一秀の作戦勝ちである。選挙地盤も野党が競合し配っているので、メロンや香典の効果が生きてくるだろう。菅原は何のお咎めもないのだろうか。こんな小悪党が自民党には数えきれないくらいるのだろうが、選挙民主主義の根幹は汚れたままである。