自民党の下僕でしかない公明党は必ず自己弁護の言葉を探して、どんな自民党であっても合意することは解ってはいた。そして、維新の会も野党合意を投げ捨てることも予測は出来た。
自民党は自己利益につながれば知恵が働く。維新の会の10年後に公開するという、実質何の歯止めにもならない文言をそっくり頂いた。維新の会には丸呑みするという表現で懐柔し、大阪万博の失態が白日の下に晒される尻拭いを依頼する弱みもあって威信はこれに応じたのである。前進したというのである。
結局自民党案は、政策活動費は置きっぱなしで触れることもなく、野党一致で禁止としていたはずの企業団体献金はそのままである。維新の会は野党合意を反古にしたのであるから、野党にも説明責任があるがそれもやらない。これが維新の会の、パーシャル連合なのである。
唯一維新の会を取り込んだ「10年後の情報公開」は、2027年1月1日から取り組むというのであるから、実質13年は開示しないことになる。その開示も領収書もなく月単位になるようであるし、そもそも不都合なことは黒塗りもあるという開示である。知る権利は即日性でなければ意味がない。国民の知る権利を見事に奪う、10年後の開示である。
政治資金にかかわる時効は最大で5年である。起訴も出来なければ立証も出来ないという体たらくである。高齢者が多い自民党で担当人物が議員席を持っているかもわからないし、政党の烏合集散など流動性にも対応していない。10年後の政治活動が担保される人物も、どれほどいるかも不明である。
連座制にも触れることはない。政策活動費は残す。内容は公開しない。不正が明らかになっても証明できない起訴も出来ない。都合が悪いところは黒塗りにを公開する。
結局、自民党案は明らかに現行規制法より後退し、政治と金の問題は何一つ解決されないということになる。
二転三転したが、これで規正法改定は明日は衆議院本会議を明日通す見込みである。肝心の個所は検討するを繰り返している。第三者機関を設けて検討するというが中身もメンバーも何も決まっていない。今年度中に開くのかという質問にも、岸田文雄は答えることはなかった。
失態を繰り返し支持率が急激に下がる維新の会が、延命を掛けて政治資金規正法を餌にして自民党に貸しを作ったのが実態である。政治と金を巡ってはより一層闇の中のさらに奥に行ってしまった。