小沢一郎が無罪になった。検察が不起訴にした案件である。小沢は何かと胡散臭い、剛腕の政治家である。私は嫌いである。
田中角栄の失脚を見てきた小沢は、金の学習はしたが権力掌握の姿勢はそのままである。
そもそもこの事件は、西松建設の贈収賄として検察が探りまくった、見込み捜査による枝葉の案件であった。
個人資産として4億円は大きいし、出所も胡散臭かろう。しかしそれにしても、年度をまたがった単なる記載漏れでしかない。どう考えても微罪である。
長年法案や事件を見てきたエリートの専門家が、複数集まって不起訴の結論をだしたのであるが、ど素人が集まってこれを否定するのが、検察審査会制度である。
被告に異議申し立てなどの手続きがない。審議内容が公開されない。小沢の場合の平均年齢は、31歳未満であった。
不特定の市民の判断で、強制起訴に持って行ける、極めて不確実性の高い制度である。小沢の場合も、その道の男性が「この男許せん!」と義侠心を発揮し、異議申し立てした。
さらに今回、朝日新聞の報道によれば、平均年齢31歳の委員たちは、わずか一度しか会議を開いていないとのことである。
3度行っているとのことであるが、後の二度は集まっただけで何の論議もされなかったと、朝日はすっぱ抜いている。2009年に導入された、この制度で判決の出た2例とも、無罪となっている。
ワイドショー的に面白おかしく取り上げられる傾向が強く、目的も手法としても欠陥が多く、検察審査会制度は意味不明の制度といえる。