普天間基地の固定化が決まった。一体となっていた、米軍移転などできるところからやると、アメリカが言い出したのである。通常の交渉ならだれでも選択する、当然のことである。
日本政府が辺野古移転などできるはずがないと、アメリカが一方的に下した判断でもある。要するに、玄葉大臣はことあるごとに、「双方の協議によって」を繰り返していたが、その気になれば一方的に断ることもできるのである。ただしアメリカ側がである。
沖縄は、一定の負担軽減はあることになるから、これは受け入れることになるであろう。ただし辺野古移転は認めない。結局普天間の危険性は何ら除去されることがなく、このままになるだろう。
そもそも、普天間の移転は少女強姦に始まる、地位協定の見直しであったはずである。それを危険な普天間基地の移転で、お茶を濁された経緯がある。
防衛大臣に、小沢一派をしつこく当てて尻拭いをやらせ、上手くいかなければそれもいいという思惑がある。一部岩国移転、は陽動作戦で意味がない。アメリカには結局何も言えなく、今回で普天間の固定化は決まった。
TPPの事前協議がアメリカと始まった。TPPは二国間交渉であるから、この交渉に本質が見て取れる。野田ドジョウ首相は否定したが、アメリカ報道の通り全ての品目が対象になっている。
TPPに関しては、数冊の本に目を通したが、農業分野以外ではよくわからないことがあまりにも多い。農業分野でも、予備知識があって初めて理解できることが多く、極めて難解といえる。
分かりやすい例が、自動車の例である。政府の支援で復活したアメリカの自動車業界は、日本に一定量の購入を義務付けるように働きかけている。これが自由貿易といえるのかと思われる。日本の自動車は、安全面での規制があまりにも強すぎる。それを外すことを要求している。
TPPという無関税システムは、制度の均一化や規制の撤廃も多岐にわたる分野で要求してきている。日本の基準をアメリカに適用するようなことはまずない。アメリカは民主主義の国家と自認するが、政策については各業界のロビーの言いなりである。金で動くと表現しても構わない。
コメについても、アメリカ人の10倍以上を食べる日本人の、規制の緩和を求めること自体が間違っている。TPP個別の国家の事情を配慮しない。こうした規制緩和やアメリカの要求のことをアメリカは、”解放”と呼ぶのである。こうした横暴なアメリカに、日本政府は僅かな時間稼ぎ以外は何も言えなこ交渉は終わるであろう。