イギリスの3社の、大手乳業が社が酪農家に払う牛乳代金(乳価)を、1リットル当たり2ペンス下げる方針を打ち出した。
酪農家は一斉に反発し、街頭デモを行って市民に訴えた。同様に、ベルギー、イタリア、アイルランドも乳価を下げている。これらの国の酪農家は、EU議会に提訴した。
背景には、一向に伸びない乳製品の消費量がある。乳業会社はこれを理由にしている。酪農家は、乳価が下げられ穀物価格が高騰して、生産費がかかりダブルパンチである。
欧州乳業組合のシェバー会長は生産の抑制方針を打ち出し、新たに乳製品の受給調整機関の設置を提案している。
世界各国の乳製品の消費量が伸び悩んでいる。日本は酪農家が、給食に全面協力して、長じても乳製品を購入するようになっているためか、落ち込みは比較的少ない。
畜産製品がぜいたく品として扱われる時代が、食糧問題とともに訪れようとしている。なぜなら、穀物の消費をいつまでも家畜にさせるのは、モラルからも問われる問題になりかねないからである。