そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

ウナギ高騰について考える

2012-07-27 | 政治と金

日本は決められたことをやりたがる民族性がある。今日は土用の丑の日であるが、誰もがウナギを食わなけれならないと決めてかかっている。

メディアは高騰するウナギ価格ばかりを報道する。ウナギの資源が怖ろし勢いで枯渇しているが、そうした事実と背景には黙している。

ウナギは、日本が河口でシラスウナギ(稚魚)を捕獲しPhotoて養殖する技術を確立した。ご多分に漏れず、中国と台湾が安い労力で、これにとって変わることになる。今では、国内消費の半分以上が中国からの輸入である。

そこで食糧とは何かも考えず市場原理しか考えない業者は、枯渇に対して価格を釣り上げて、さらに中国依存を強くする。日本のシラスウナギが採れなくなり、中国はヨーロッパウナギの稚魚を輸入するようになった。

資源を荒らされたEUは、ヨーロッパウナギの保護に出て、ワシントン条約付属書Ⅱに指定した。今年4月からは輸出を禁止した。

そこで経済大国中国は、北米のアメリカウナギの稚魚を求めるようになった。EUを見習いアメリカは、ワシントン条約でウナギを付属書Ⅱにすることを、検討し始めたのである。

これがウナギが高騰することになった、経済的理由である。

しかし、もっと重要なことは、ウナギの稚魚が減少した原因である。日本人は少々高くなっても、ウナギを食べたがる。夏には土用の丑の日まで設けて食いたがる。こうしたことが、さらなる資源の枯渇へとつながるのである。

ウナギの稚魚の減少は 〇乱獲による 〇生息環境の悪化による 〇生態系に不明なことが多い、が考えられる。日本の開発した天然稚魚捕獲から養殖への技術は、環境悪化に拍車をかけることになったのである。

食糧を支えるのは環境である。高くなっても買い続けると、途上Photo_3国がお金もうけに走る。日本がそれ買い付け、悪化した環境をさらに悪化させることになる。

バレンタインのチョコレートもそうであるが、このような煽られて買う風習が資源を枯渇させる。高くなると食べなければいいのである。価格を際限なく上げてでも食いたいと思うのは間違いである。

食糧が減少するのは、価格の問題ではない。食糧価格の高騰は資源減少の指標でもあり、警告でもある。TPPは食料を含めあらゆる商品を価格だけで評価する、無関税システムである。資源の枯渇や環境のことなど全く考えない制度でもある。

http://blog.goo.ne.jp/okai1179/d/20100213


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3 コメント

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北海道で牧場を経営してる方のブログにリンク載せ... (詩音連音)
2012-07-30 08:24:26
北海道で牧場を経営してる方のブログにリンク載せてもよろしいでしょうか?こういう現状をぜひ皆さんにお知らせしたいのですが・・・。
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詩音連音様 (そりゃないよ獣医さん)
2012-07-30 13:15:44
詩音連音様
どうぞどうぞ。その方がどんな形の経営をやられているのか解りませんが、マイペース酪農の方々も結構ブログ書いています。
あるいはそうした集会に全道からみなさん来ます。
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快くお答えいただきありがとうございます。 (詩音連音)
2012-07-30 16:46:13
快くお答えいただきありがとうございます。
早速リンクのお知らせのコメント書きますね(^^)
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