トランプが側近に、「朝鮮戦争はまだ続いているのだぞ。お前知ってるか」と聞いたそうである。昨日のテレビで元政務次官の藪中氏は、「トランプは多分前日初めて知ったのだろう。それを自慢げに周辺に話したのでないか。」といった。世界最強国家の指導者に失礼なはなしでないかと思われるが、リアリティーのある解説と聞いていた。こんな程度の男である。こんな程度の男であるが、触れてはならないイスラエルの首都問題を、いとも簡単に国内の支持者のメンツのためにタブーに触れる。更にはパリ条約を離脱する、石炭の採掘を許す、メキシコとの国境に壁を作る。イランとやっとこぎつけて核合意を破棄する。よくもマーこの程度の男と思うが、別の見方をすれば、ブッシュが悪の枢軸とヘイトする北朝鮮を自らの人気回復のために、過去と無関係に平和条約の締結までするかもしれないと思えてきた。
日本の安倍晋三は、蚊帳の外と言われているが、蚊帳を張った屋内にも入れない、家の外といった表現が当たったいよう。金体制が、アメリカの傀儡政権と呼んだ安倍政権である。韓国の介在は核廃棄以外の日朝との会談を約束してようであるが、拉致問題は全く触れられていないものと思われる。
板門店宣言は北朝鮮内でも正確に報道されている。両国の会談は短かったようであるが、事前に内容はほぼ事務方で決められていたようである。
象徴的なことが今回の会談で見られた。親子ほど離れた二人であるが、たった二人だけで40分間にわたって屋外で話し合ったことである。ほとんどが文大統領が話し、金正恩が頷く行動のようであった。交渉経験のほとんどない金正恩へのアドバイスのように見える。かなり深刻な顔で聞き入っていた。帳が下りて板門店の壁にその日の様子が映し出されるのを、長時間にわたって二人で手を握り合って見ていた。
今後北朝鮮の動きが具体的に表れるようになると思われるが、この文大統領のアドバイスが効いているのではととも思われる。早速核施設の公開を表明している。いつまで続くかはわからないが、大人の姿勢を示してきた北朝鮮の動きを歓迎したい。それを核廃棄の道筋が見えないと非難する、子どもの対応を日本政府がやってはならない。
日本政府は、国難がなくなったのであるから、アメリカから買い付けようとしている武器を放棄し、北朝鮮への経済支援に回すべきなのである。それでは困るのがアメリカの軍需産業であるが、予測不能のトランプは何処まで付き合うのか全く分からない。