藤井裕久は財務大臣というようなは要職につくにはちょっと遅かった。しかも政権交代で最も働かなければならない激務が待っていた。藤井が年齢的な理由で引退を決めたのを、恩師の息子の鳩山由紀夫に留意されて残って登用の結果である。藤井は自民党離党後、小沢と行動をともにしてきた。小沢はまた一つ、目の上のこぶを取り除いたことになる。
非じいは暫定税率がほとんど生き残ったことで、かなり失望したようである。野田佳彦副大臣を、藤井は押したようであるが、かつて小沢に反旗を翻そうとした野田は敬遠された。小沢の足場は堅牢になるばかりである。
問題は菅直人である。彼は市川房枝の活動に感銘して政界入りした人物である。野党にいて攻めるには格好の人材であるるが、与党としての対応はどうか見ものである。イラ菅といわれるように、あまりにも短絡的で解りやすい予算委員会での質問は見ていても爽快でもあった。
鳩山由紀夫は思ったほど指導力がないのを見て、副総理で国家戦略局にいて次を狙っているのか、目立った活動をあえて行ってこなかった節が見える。鳩山のこけるのを待っていたのかと勘ぐっていた。しかし、これで表舞台に出てきたことによって、彼の政権はなくなったのではないかと思われる。
小沢一郎は、時が解決すると思われた西松建設の後新たな政治資金問題が浮上している。今回は、金の出所を突かれるようだが、これ以外に小沢をイラつかせる存在はなくなった。彼の今後の動きが不安である。カンブリア宮殿の村上龍の小沢一郎の分析は当たっている。
小沢は、演説が下手でシャイである。本来政治家向きではないのではないかとも、村上は言っている。別の道を歩くべきだったのである。