韓国とアメリカのFTA(自由貿易協定)が妥結した。日本も遅れるなと、内容には触れず 各誌の論調は日本農業に対する厳しい意見があいつでいる。
そもそもが、自由貿易とは短期的利益を優先させるシステムである。相互に短期的な利益が折り合って締結することになる。短期的な利益とは、強者の論理に取り込まれることになる。弱者に配慮する形をとるのがその証拠である。
日本の食料自給率を上げると何度も表明しておきながら、自由貿易のハードルを越えることなく、強者の論理に与する姿勢には変えることがない。農業=食料が犠牲になっている。
この背景には、数日前に(3月31日)韓国がイランと貿易投資促進覚書を交わしたことがあるのではないか。イランをめぐっては、アメリカは核施設などへの空爆準備万端整いながらも、混迷するイラク 情勢や英国の捕虜交換などのジレンマの中で、動けない状況にある。そんな動きに韓国が乗じた感がある。
一方、日本はイランと共同開発したアザデガン油田の権利をそのままに、国連経済制裁に加わると、根拠もない表明をする。最も多くの石油を依存する国に、どのような制裁が可能か理解できない。
アメリカの顔色を伺っているうち、韓国にイランでもFTA交渉でも先を越された形になってしまっている。
ことあるごとに、安倍ボンと周辺は「日米同盟」を口にするが、アメリカ議会からは慰安婦問題や更には捕鯨問題まで出されそうである。これに対して、今月末の首脳会談会談 に安倍ボンは、杜撰な米国産牛肉の輸入制限の緩和と、ほぼ悲惨なアメリカの敗戦が決定的で来年6月に撤兵するとするイラクへの派兵2年延長を手土産にするのだろうか。
アメリカに良いように弄ばれる日本。こんな一方的な哀れな同盟国があるだろうか。