イギリスのキャメロン首相が、財界人百数十人連れてインドを訪問している。就任早々に次いで2度目である。経済発展著しいインドを、イギリス経済に引き込みたいのである。
インドはかつて、イギリスが統治していた国である。植民地として文化的にも経済的にもその後のつながりは深い。ガンジーが非暴力によって、イギリスからの独立の道を開いた。ガンジーが非暴力の象徴として、黙々と羊毛を紡いでいた。そのと紡ぎ車は、インド国旗の真ん中に置かれている。
非暴力運動の非武装のインド国民を、イギリス軍は無差別発砲で大量虐殺を行った。1919年、北部の都市アムリッアルのことである。イギリスの発表で、379人死亡したとされている。インド側は、1000人以上が虐殺されたとしている。
100年経って(6年足らないが)ようやく、イギリスの首相として初めて現地を訪れ遺憾の意を表明した。キャメロンは、訪問者名簿に、「あってはならないことである」と記帳した。
経済的な甘い汁欲しさに、今頃になっての間接的な謝罪である。日本は、70年前の中国での侵略や虐殺に対し、これまで何度謝罪してきたことであろう。自民党の右翼連中は、もううんざりであると文句を言いながらの謝罪である。
日本のやり方が正しいとは思えないが、戦勝国はまことに身勝手である。植民地として、特定地域の虐殺や暴力行為だけではなく、国家として多大な利潤を吸い上げ、人権をどれほど蹂躙してきたかわからない。
いまさら蒸し返したところで、何のメリットもないのだろう。イギリスとインドは大人の関係なのだろうか?それとも、日中や日韓との関係がまだ幼いのだろうか?未だにぐずぐずしている。