そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

新自由主義の破綻 その1

2008-10-12 | 政治と金

金融危機が世界を巡っている。世界的な株価の暴落は歴史的事件である。G7は公的資金の投入を行うことで、その沈静化を図るつもりである。

急激な株安を受けて、時折聞かれる異質な言葉がある。「実態経済」への波及を恐れるというものである。実体経済とは何なのだろう。今起きているのは、株を巡るマネーゲームの危機である。つまり、金融危機とは「非実態経済」の危機でしかないのである。

マネーゲームとは、実体経済を担っている一般社会の経済活動を、金を持っている連中が評価する方式のことである。汗をかかない連中の評価が、株価によって表現させるのである。まさしく非実態経済である。

「市場がすべてを決定するとする」これは、新自由主義の基本理念である。市場とは、実体経済の世界だと思っていたらそうではないようである。むしろ金融社会の方が世界を握っていることが解った。

G7が公的資金の投入を決めたことは、一つは社会的なパフォーマンスを市場に示すことであったが、もう一つは新自由主義の破たんを認めたことであると言える。公的資金を金融機関に投入するのは、そもそも新自由主義の原理に反する。

日本は公的資金の投入に乗りきったとされている。その後長く続いた「いざなぎ越え景気」は、結局は勝ち組の勝利宣言でしかなかった。働く貧困層を大量に生み出すことで、彼らは勝利者となったのである。

「政府は小さくしなければならない。経済は市場間が決める」と言ったのは、小泉・竹中新自由主義者である。そのために構造改革が必要だと、僻地から郵便局を奪い格差社会を作った。

貧者から集めた公的資金(税金)を、勝ち組のお金持ちに与える構造は、新自由主義者にとっては忸怩たる思いがある。ブッシュも渋々認めた形である。金融危機は、新自由主義の破たんしたこと語っているのである。

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中国はどこへ行く

2008-10-10 | 政治と金

何とか北京オリンピックを終わらせた、中国は大きな転換期に差し掛かっている。食の安全にしても、経済成長や環境問題、それに民族問題や疲弊する地方の問題にしても、それらのすべては農村問題だといえる。

Photo_2中国の農村問題は「三農問題」と言われている。農業、農村、農民の問題を言うのである。これらは関連しあいながらも、より一層問題が深刻になりつつある。

中国政権は、中国共産党が担っている。中国革命とその後の建国は、中国共産党が成し遂げた業績である。もちろん毛沢東が行った粛清や文化革命など、多くの問題はあったとしても、中国共産党を支え続けてきたのは、農民である。

現在でも中国農民は人口の75%以上である。彼らの賃金が極端に都会と開いている。その都会の発展を支えているのが、安価な農村労働力である。

農村は利潤を上げるために、違法行為すれすれのことまでやるのは当然である。食の安全についても、規制ばかりを論じるのではなくその背景を考えなければならない。何処で、誰が、何のために、どうして生産しているのか知る必要がある。規制しても、新たな問題が起きるのに決まっている。

又、外貨を稼ぐ織物などの工場を支えるのも、安価で豊富な農村労働者である。農家は戸籍を自由に移すことができない。少し時間の長い、季節労働者といえる存在である。都会に住所を移すことができないからである。

賃金格差は、すでに6倍を超えていると言われている。これが社会主義思想に基づく、国家建設の結果なのか。貧富の格差は、地方をより一層疲弊させる結果になっている。少数民族地域に、中央で行き場のなくなった漢族が支配者として居座る構造が、民族問題を複雑にしている。

三農問題は深刻ではあるが、これからの中国の行方を見るのに極めて重要な視点であるといえる。

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何も取り組まない日本

2008-10-09 | 政治と金

洞爺湖サミットから3ヶ月経った。日本は、もう忘れた人が多いかもしれないが”フクダドクトリン”なるものを提案したのである。環境問題で。世界の主導権をとるというものであった。

程なく発表されるはずだった、世界に先駆けるか世界を先導するようなものが何も出てこない。そPhoto りゃそうだろう、本人はさっさと政権を投げ出してしまった。お恥ずかしい話である。

もうそろそろ日本も取り組んでなければならない排出権取引は,なにも提案されていない。ヨーロッパもアメリカの一部の州ではすでに具体的な動きが始まっている。

日本は低炭素社会へ向かう覚悟も意気込みもないようである。何しろ、選挙をいつやるかでそれどころではない。与党も野党も同じである。国会の質問も回答もそのパフォーマンスの場でしかない。日本の政治家たちは政局しか考えないのか。

炭素制約を一般社会的な通念としての定着を図るどころか、産業界の抵抗が強く政府は顔色を見ているのではないかと思われる。経済成長にとってマイナスになるというのである。日本は京都議定書すら履行していない。

日本では一部の企業や自治体などがようやく、カーボンオフセットへの取り組みを試みている程度である。政府はサミットで見せた環境対策に取り組む姿勢をを反古にする気なのかもれない。何のためのサミット会議だったのか。

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ここは素直に喜びましょう

2008-10-08 | ノーベル賞

08108 ノーベル物理学賞を、南部陽一郎さん、小林誠さん、益川敏英さんの三氏が受賞した。昨日の夕方飛び込んできたニュースである。日本は理論物理の分野での理論的主導をとっている。081008

らしい。らしいというには、この方々の理論に目を通したが、理解できなかった。私の知る物理学の知識を超えた分野である。

そして、今夜またノーベル化学賞を下村脩さんがもらった。発光生物の物質を取り出し解明した ようである。これは何んとなく解るような気がする。

ここは大いに喜んで評価したいと思う。日本も捨てたもんではない。この頃なかった明るいニュースである。この先輩たちに、若者が続くような環境を作ってくれることを、切に望む。

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選挙に見とれてはならない

2008-10-08 | イラク

自民党は思ったほど、内閣支持率を得られなかったためであろう、解散を先送りしそうである。サルは木から落ちてもサルであるが、議員は選挙で落ちるとただの人になる。落選の恐怖が彼らの頭を過ぎるのであろう。

例のインド洋上でアメリカ艦船に給油する法律、「テロ特措法」を審議してから解散するなどと言い出した。民主党に、前原のように自民党より右寄りで戦争好き、武装好きの連中がいる。

01選挙を餌に、民主党が揺れるのを期待しているのであろう。民主党が、揺れるようならころ合いを見計らって解散ということなのだろう。

その民主党は小沢の一声で、早くから臨戦態勢である。財源力の弱い彼らが消耗するのを待っているのであろうか。早く選挙をやりたい民主党が、テロ特措法に弛んだ反応をしないか見極めなければならない。Poppies

アメリカの中東政策は明らかに失敗したのである。現在起きている経済恐慌寸前の状況も、ブッシュの失政から生まれたものである。ブッシュは戦争に毎日6000億円もつぎ込んでいるのである。こうしたことを、民主党は国会で主張して、対米追従の方針転換をするべきと主張しなければならない。

選挙をニンジンにして、テロ特措法を通過させてしまうことだけは断じて許してはならない。洋上でいくら給油をしても、アフガニスタンでは、タリバンが復活して勢いを増している。むしろ逆の相関になっているのである。

タリバンの復活は、内容はともかくとして民衆の支持を得ているからである。アメリカは誤爆などを通じて、より一層民衆から離れている。タリバンは高額で、ケシを購入してくれるそうである。恐ろし現実に支持されている。それもアメリカの失政の結果と言えよう。

選挙に見とれてはならない。この国を一層危険な国家にしてはならないからである。

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遠くなる食べ物

2008-10-07 | 政治と金

Photo 中国でもメラミン汚染が止まらない。汚染はついに飼料にまで及んでしまっている。食べ物が安全であったのは、かつては自分で作っていたからである。

秋も深まり、北国の農家の庭先では、盛んに漬物を作る姿が見られる。それも、以前に比べるとうんと少なくなってしまった。漬物を自分たちで作るのは、自分好みの味を調整できるからだけではなく、安心して食べられるからである。

社会構造が大きく変化して、多くの業種は忙しくなってしまった。農業も例外ではない。たくさんの、経済効果の高いものを作らなければならないからだろう。我慢しながら、黙々と漬物を作っている。

漬物を作るのは、ジジババばかりである。若奥さんたちは手伝わないことが多い。こうした文55化は引き継がれないないのかもしれない。若奥さんは、コンビニに出向いて少しづつ買うことになる。

食べ物が、消費者のもとからだんだん遠くなっていく。左の表は、さいきんとみにゆうめいにな った、「フードマイレージ」の国別の表である。食料の重さに産地からの距離をかけたものであるが、日本が断トツに高い。

アメリカから大量の穀物を買っているからである。重い穀物を、地球の裏側から持ち組むのである、当然フードマイレージは高くなる。

食料が遠くなるのは、距離の他に二つの要因もある。一つは時間的に遠くなっているのである。収穫したものを、冷凍などの保存技術の進歩で収穫からかなり時間を経て、消費者の手元に届く二である。

もう一つは流通距離が嵩んでいるのである。消費ニーズの多様で、さまざまなものに加工されるようになった。それも、ほんの少し変わっただけで売れ行きが違うのである。加工の過程が複雑になり、遠くなってしまったのである。

できる限り食料を自給しなければならないのは、食べ物を遠くに置くことでより多くの危険にさらされることになるからに他ならない。金の問題に閉じ込めては本質を見失うことになる。

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こりゃ北朝鮮の思いのままだロ

2008-10-06 | 朝鮮半島

北朝鮮のご機嫌を聞くためだけの機関、6者協議が意味なくなっている。アメリカのヒル次官補 は、ピョンヤンへ行ったり来たり大変忙しいようである。

アメリカが、テロ指定を期限が来ても外さなかったとか、日本の政府代わっただとか、いろいろ081003 な理由で引き延ばしとゴネゴネをやっている。北朝鮮がゴネると何かを出してきた経緯が、こうした事態になってるのであろう。

8月半ばから、金正日が公式の場から消えた。相当深刻な病気でないかと思われる一方で、これも北朝鮮の駆け引き材料ではないかとみる向きもある。私は、どうやらこれは駆け引きに使われているような気がしてならない。

昨日どこかに出席した報道があったが、これも陽動作戦であろう。重村智計氏などは、小泉純一郎と話したのは、ダミーだと何度言っている。本人は死亡して、5年ほど経っているとも言っている。少々怪しい情報であるが、この男の存在の重要性の証でもある。

金正日の後継は北朝鮮にとって最大の政治課題である。その問題が解決しないようでは、彼はいなくなるわけには行かない。金正日の存在は政治適最大のカードである。

North_korea_has_finally_moved_ahead期限を切られているブッシュの焦りを誘いだすのに最も有効な手段は、引き延ばしである。ヒル次官補が、どこまで妥協したかわからない協議を何度も繰り返している。まんまとアメリカがこれに乗っている。日本も同様である。

金正日の重病説は、6者協議に苛立った北朝鮮の、政治的画策である。陽動作戦の一つと考えると分かりやすい。日本の拉致担当者が次々変わる中横田めぐみさんの誕生会が開かれた。要するに6者協議は、北朝鮮の思いのままの現状にあると言っていいだろう。

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現地活動こそ必要

2008-10-03 | イスラエル

Photo アフガニスタンで拉致射殺された、伊藤和也さんの葬儀・お別れ会が行われた。現地では、約800名の人たちがつまり各村の代表が弔辞を読み上げ、祈りを捧げ、結束と深めました。

伊藤さんはなぜ殺されたのか。これほどまでに現地に溶け込み、現地の人に愛されていたのに、なぜ彼は殺される羽目になったのであろう。

日本が、ペルシャ湾上でアメリカ艦船に給油をしていることを現地の人たちは全く知らなかったようである。昨年の、参議院で否決され一時棚上げされたことで、騒ぎが生じたことで初めて知られることになった。

少なくともカイザルは、全く知らなかったようである。アフガニスタンは、日本に対して美しき誤解を続けていた。アフガニスタンに攻め入った大国ロシアを負かした国で、平和憲法を守る温和な国家という認識が共通であった。

ところが、ここにきて日本がアメリカ側に立って行動することが判明したのである。パキスタン、アフガンのゲリラや武力勢力は、それまで日本人にはほとんど手を出すことはなかったのである。

伊藤和也君の「現地に行かなければ始まらない。現地の人たちと一緒に成長してゆきたい」という、彼の言葉にすべてが集約されている。

ペルシャ湾は現地ではない。給油による武力援助で成長するにはアメリカ艦船だけである。

彼が殺されたから、もっとペルシャ湾で給油活動を続けようとい発言する、トンチンカンな政府高官には、現状が解っていない。武力が平和に必要だと思っているのは、武力信仰のアメリカに追従しているからである。

中村哲現地代表から、ペシャワール会の会員に丁寧な弔事文が寄せられた。戦争と暴力は無知と臆病から生まれ、何の解決にもならないと述べられています。また、事業は継続すると結語している。NGOによる現地活動こそが求められているのである。

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メラミン汚染が止まらない

2008-10-01 | 政治と金

メラミンによる牛乳汚染が止まらない。メラミン汚染を中国政府が知ったのは、7月だとされていPhotoる。公表はオリンピック明けを待っていたそうである。毒入りギョーザはばれてしまったが、メラミンはば れずに無事(?)オリンピック終わって政府によって発表された。人間の健康いより、国家の威信が大切なのだ。

メラミン汚染の深刻さが判明した方が国家の威信がなくなることを知らなかったようである。メラミンは、そもそも食料に添加されることを想定していないものである。プラスチック樹脂の可塑剤として主に使われ、メラミン樹脂として知られている。080921

中国政府は、粉ミルクの汚染で腎結石で5人も死亡してからの発表である。被害者を粉ミルクだけと想定していた節がある。実態調査が遅れていたことが、汚染の広がりからはっきりしてきた。

メラミンはなぜミルクに混入されたのだろうか。タンパク質はアミノ酸の集合体であり、極めて多種類のアミノ酸で構成されている。一般には、タンパク質の定量はされずに、窒素分を定量してそれに、おおむね推測されているアミノ酸の量を掛け合わせて、たんぱく量としているのである。

080917メラミン投与は、検査のこうした方式の盲点を突いたものである。メラミンを混入すると、高タンパク質牛乳に変身するのである。酪農家の浅知恵であろうが、誰かが教えて普及したのであろう。

世界各国で、さまざまな商品からメラミンが検出されている。日本でも、たぶん粉乳として輸入され加工品に使われたのだろう。それにしても、ほとんどの国からメラミンが確認されている。このことから相当古くから、中国の酪農家はメラミンを混入していたものと推測される。

海外から食品を購入するということは、こうした想定外のリスクを国民に負わせることでもある。食料の自給率は、単に国内農業を守ることではないのである。

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羅臼港

春誓い羅臼港