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フランスの大手乳製品メーカー「ラクタリス」が製造したサルモネラ菌に汚染された小児用粉ミルクで、被害を受けた赤ちゃんが37人にもなった。12月2日に12ロットの回収と販売停止命令が下されたが、その後他のロットでの換算で非額は広がった。この製品は60カ国以上に輸出されていた。更なる被害の拡大が懸念される。
フランス政府は、新たに608ロットを指定した。ラクタリスによれば、回収の対象の製品は7000トンにもなるという事である。多くは消費されてしまっているという事である。回収対象品はアルジェリア、モロッコ、英国、台湾、ルーマニア、ギリシャ、バングラデシュ、中国、ペルー、ジョージア、パキスタンに輸出されている。日本には輸出されていないという事である。
ミルクのサルモネラ汚染であるが、この広がりは牛体からだとは考えられない。当初12ロットに限定したのは、牛由来と判断したのであろうが、甘い判断だ多といえる。日本だと生乳受け入れの段階とコネミルクへの加工の段階で、殺菌されることになる。ラクタリスはその後工場内の汚染と認め、昨年5月にクラオン工場の乾燥施設で汚染された、と思われると発表している。製造工程での汚染は容易に察しがついたはずである。
日本の工場ではHACCPが徹底され、このようなことは起きない。少なくとも起きればその後の出荷などありえない。そもそも乾燥で起きるとはあり得ないだろう。
貿易障壁を外すことが時代の流れのように経済学者は繰り返す。今回200種以上あるサルモネラの菌種が公表されていないので詳細は不明であるが、アメリカでは卵黄由来のサルモネラの集団発生が毎年かなりの件数発生している。また、と畜場せのサルモネラ感染する従業員も後を絶たない。いずれも日本では発生したこともないし。考えられないことである。
防疫障壁を外すなら、こうしたリスクを受け入れることになることを知っておくべきである。