昨日書いた「足るを知る」とは老子の「自勝者強、知足者富」からの引用で、 自らに勝つ者は強く、身の程をわきまえて、むやみに不満をもたないこと。足るを知る者は富むとは、満足することを知っている者のことであり、たとえ貧しくても精神的には豊かで、幸福であるということ、という意味である。
禅がこれを「吾唯足るを知る」と口を上下左右に使った水やりなどで、表現している。
明治の初頭は農民がこの国の、80%以上であった。日本は豊芦原瑞穂の国で農業国であった。太平洋戦争後でも、この国は農業国であった。日本の文化を醸成したのは、狭い土地で巧みに土地改良を行い水管理をすることで、村社会と勤勉さが生まれ、日本のいわば細かな作業が得意な民族性も育まれてきた。
自然界では動物たちは必要以上のものは採らない。先日NHKの人体という番組で、脂肪肝になるのは人間だけ出ると、ノーベル医学賞受賞者の山中博士が述べていた。自然界では全くその通りである。
しかし、現実には人間以外にも脂肪肝になるものがいる。家畜である。彼女たち(家畜のほとんどは雌である)は、必要以上に採食させられ現場の獣医師は脂肪肝との戦いであるともいえる。
人は際限ない欲望を家畜にも課しているのである。足るを知らなくさせているのは、資本主義かもしれない。