そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

使途不明が前提の国費、官房機密費などあってはならない

2018-01-21 | 国際・政治
最高裁が先日(19日)官房機密費の一部開示を命じた。民主党が政権を執った時に話題になったのが、官房長官が管理する、官房機密費が現金として数億円金庫にあると暴露したことが話題になったことがる。我々が全く知ることができない存在として、官房機密費がある。今回の訴訟で、最高裁は一部の開示を命じたが、国側の「政策課題を解決するため、情報収集や協力を依頼する経費だ。支出先が明らかになれば国益に支障が生じる」という証言も、一部認めた形となった。
しかし、これまでまったく開示どころが、そうした金の存在すら知らされることがなかった。最高裁判決は政府の主張の根幹を容認する一方で、毎月約1億円の官房機密費のうち、官房長官が使う部分の金額などを明らかにするように命じ、全面非開示を求めた訴訟側の姿勢に、わずかに歯止めをかけた。

小渕恵三内閣で官房長官を務めた元自民党幹事長の野中広務氏が2010年に、官房機密費の内幕について語ったことがある。月々、首相に一千万円、野党工作にあたる自民党の国対委員長や参院幹事長に各500万円、その他政治評論家や野党議員にも配っていたという。
共産党が2002年に公表した機密費の使途では、野党議員の高級紳士服、政治家のパーティー券、議員が外遊する際の餞別、ゴルフのプレー代、洋酒、ビール券などおよそ国政とは無縁のものが目立っていた。首相とお食事を重ねる人が大勢いるが、ここから金が出ているのだろうか。
官房機密費は、何かあると『よろしくお願いします』という、主語も目的語もない言い回しに象徴される、古い日本の体質そのものの遺残物である。
一応は、会計検査院の対象となっているのであるが、領収書の存在が必須ではなく、事実上使途内容のチェックなどができない。おまけに開示もしないのである。謎のカネだというのは、そういう意味である。内閣官房長官が管理し、官邸が自在に操れる金である。政府側の主張する国益に反するとは、むしろ使途であることの方が大きい。
開示もしないのは、私腹のためや選挙活動費や私怨のためと思われても仕方ない金といえる。使途不明が前提の国費などあっていいものではあるまい。
コメント (1)
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