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トランプ政権の高官と思われる人物が、5日のニューヨークタイムズ誌に政権が犯している反国家的な政策に対する批判を匿名で投稿した。トランプの存在を国家にとって有害と批判したのである。投稿者はトランプ氏の無謀な政策判断から、正しい方向に国家を導くための「政権内の静かな抵抗勢力」の存在を宣言している。官僚たちは不満を持ちながら隷属しているというのである。アメリカは国家として長年培ってきた信用を吐き出し、トランプはアメリカを貶めているというのである。
投稿者の指摘は、TPPの離脱やパリ条約の離脱、それに事実関係に不認識のまま悪罵を投げつけてイラン核合意からの離脱したことや、国連人権委員会からの離脱やFTAの二国間交渉、シリアのアサド軍への空爆や、イスラエルの首都をこれまでの暗黙の了解を否定したことなどを指しているのであろう。いずれにしても馬鹿げたトランプの行為である。アメリカの信用を失墜させた事実は残る。
貿易については、30年前の貿易収支の評価基準しかない。
トランプは記事に激怒し、側近に執筆者の特定を指示した。トランプは内容に反論しているわけではない。そんな能力など彼にはないが、汚い言葉でののしりながら犯人探しをしている。「だれがやった!」「寄稿者は地位の低い奴か」「根性なしの卑怯者」「ニューヨークタイムス誌氏への抗議電話しよう」などと呼び掛ける。
これは政治家の言葉ではないだろう。ましてや世界大の国家の指導者の発言ではない。
私はある政府系の評論家の言葉に驚かされた。トランプが側近に、「おい、日本はアメリカ軍にお金出しているんだぜ。知ってるか」と言ったことを取り上げていた。トランプは何をするか予測がつかないと、擁護はしていたがそれが本音だろう。要するにトランプは政治音痴なのである。
トランプは30年前の貿易赤字に直面していたアメリカのことしか知識がない。その後の、生産工場を輸出国に移したり、他品目との交渉などで、多国間のバランスをとろうとしてきたことなど、トランプの頭にはない。トランプが唯一掲げ実行する経済行為は関税である。相手国は報復してくるだけで、交渉のそぶりもトランプは見せない。
投稿した高官はアメリカを憂いてのことであろう。犯人探しをして制裁を加えるしか、トランプには手段がない。それも彼が大統領でいられるときだけのことである。
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