日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

昨日観た映画「グローリー」

2006-03-15 21:59:28 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
連日NHKBSでアカデミー賞受賞作品画放映されているものだから、つい観てしまう。
1989年のアメリカ映画。
時代は1860年代の南北戦争の最中。
調べてみるとリンカーンが大統領に就任したのは1860年とのこと。そういえば、ゲティスバーグって言葉も映画の中てで耳にしました。
あの時代です。
北部ボストンの裕福な家庭に育った23歳の若者ロバートが大佐に昇進。但し率いるのは史上初めて結成された黒人部隊。
奴隷解放前夜のこと、奴隷労働でなく軍人として募集に黒人達は意気込んで参集。しかし差別がなくなるわけではない。軍人としての装備支給は後回しにされるし、白人兵の略奪行為の尻拭い役が回ってきたりして、誇り高い軍人を育てているはずの若い大佐ロバートは歯軋りする。
そんな中、戦況困難と伝え聞いた若き大佐は、先陣には自分の部隊をと申し出て白兵戦に挑む。
銃を構えた歩兵が幅いっぱいに広がり前進する。
遠目にはフランスデモ風であるけれど、手にしているのは銃。そして前方からも大砲が飛んでくる。近づくと銃弾に倒れるもの、大砲に吹き飛ばされるもの。それでも隊列は崩れず前進していく。
えっ、こんな戦が史実?と思ってしまう。弾をよける術もなく前進する戦法が、この時代の戦争ってこんなに容易く命が失われていったのかと。
大佐ロバートも騎馬を辞め、黒人歩兵らと共に軍旗を掲げて前進する。多くの死者がでる。ロバートも倒れる。こんなにも命が軽く扱われるのに奴隷労働ではなく戦士となろうと参集した黒人兵たちが粗野で汗臭いけれど切実です。
南北戦争はアメリカでは内戦。
1860年代を描いたこの映画、実際に残されていた若き白人の大佐の親元に書き送った手紙を元にしたものだからか、部隊を規律正しく育てようとする23歳の目線です。
奴隷労働から解き放たれようとしている時代が描かれていて、私としてはよい映画だったと思う。この国にも命を惜しむことよりも、誇りを求めた人達の時代があったということを示してしれているようです。
命は惜しいはずなのに、虐げられた時代が積み重なっていたためにそう行動させた部分もあるのでしょう。
これは北部側。
同じ時代、南部に暮らしていたのは「あの風と共に去りぬ」のスカーレットやレッドバトラーたち、そんなことも思いながら観た映画だった。


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伊坂幸太郎の小説「魔王」を読む

2006-03-15 08:21:49 | 本・映画・テレビドラマ・絵・音楽
「多分、君が好きそうだ」と手渡されて、初めてこの作者を知った。
読み始めて、すぐ「うん、そうだ」とうなずいている自分がいた。
わたしがブツブツ普段口にしている話題にチョコッと絡んでいるし、なにしろこの主人公
窮地に陥ると『考えろ、考えろ』って、自分にいうアメリカのテレビドラマ「冒険野郎マクガイバー(※)」の話を持ち出して、小さい頃からずっと今も「考察するの好き」というところに幾分の親近感を持ったりして。

(※)このドラマは知らなかったのですが、数ヶ月前ケーブルテレビでやっていたので、数本観たところです。それにしてもマクガイバーはよく考え、数十分後には必ずピンチを切り抜けるから笑っちゃいます。

実は2編にわかれていて、後編は前編の弟夫婦の話になるのだけれど、こっちも、まぁなんというか、性に合っている。
イタリアの独裁者ムッソリーニが最後は恋人と一緒に銃殺されて、群集は罵倒し唾をかけたと。そして二人が市中に逆に吊るされてた時、恋人クラレッタのスカートがめくれたと。
 群集は下着丸見えの姿に大喜びだったという。
「…ただその中にね、ひとり、ブーイングされながら梯子に昇って、スカートを戻して自分のベルトで縛って、スカートをめくれないようにしてあげた人がいたんだって…」
そして、後日、再び、夫婦の会話
「梯子を昇った人、勇気あるよね」
「興奮する群集に殺されてもおかしくなかったと思うんだ」
さて、自分がその場にいたら、
「自分のやりたいことをやりたいと思うんだ」
「スカートを直すってこと?」
ののしり唾を吐く群衆の中で、自分はどういう行動をと考える。
後編の弟夫婦の会話です。

この作者が書く登場人物の硬さ加減がタイプだと感じたのでしょうね。

数年前から「本屋さんが進める本の大賞」とやらができたそうです。
先日の新聞に、この1冊もノミネートされていました。
読んでいる人多いんですね。
この「硬さ加減」って、メジャーなんでしょうか。

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