日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

千人計画って、、、。

2020-10-16 07:15:28 | 社会問題
近頃、YouTube情報などで、中国政府の「千人計画」とい言葉を耳にするようになった。
日本人の科学者が千人計画で中国の科学技術向上に貢献しているのは怪しからん、という論調。

千人計画というのは、豊かになった中国が、好待遇で受け入れたいから、自国に戻って働いてほしい、ということで始まったそうだ。アメリカには20万超の留学生が学んでいるし、卒業してアメリカで仕事をしている中国人も多数いるから、彼らへの呼びかけだったのだろう。
もう30年も前になるけれど、中国人(大学助手レベル)を日本の大学院に仲介したことがある。勿論、彼の論文を担当教授に提出したうえでの判断だったのですが、彼は出国に当たって、国はから日本円にして200万円程度の保証金の提出が必要だったと耳にした記憶があります。当時は頭脳流失という言い方も流行っていましたから、頭脳流失に対する中国の対策だったのでしょうか。
自分の国では研究のために欲しい試薬もなかなか手に入らないし、日本の方が研究には適している、と言っていました。



そんな時代の優秀な中国人がアメリカをはじめとした先進国に勉強・研究目的で向かっていったことを周知している国としての対策「千人計画」ということらしいです。
で、自国人だけでなく、外国人も要件に合致すれば好待遇を提供する、という仕組み。そして、日本の多くの学者先生たちも中国で好待遇を受けている実情が明らかになったということです。

アメリカには、この目的で中国に渡ることを禁じている法律があり、罰則が科されるルールがあるそうです。
ところが、日本にはとくにアメリカのようなルールはない。ないどころか、日本学術会議は中国とも研究協力を惜しまないという取り決めをしているとのこと。

ここが問題。
中国に問題があるのではなく(中国の政策がいいか悪いかは別問題)、安全保障にかかわってくるだろう科学技術分野でも、情報提供に垣根がないとしたら、垣根不用と野放しにしておく方の問題だと思います。
そして、有能な人材が流失しないような処遇・政策も併せて取るべきなのでしょう。


私たちの国は、防衛費という言葉にきな臭さを感じて、避けて通りたい、忌避したい、とい心根がどこかに抱えています。
生活を便利にしているインターネットもGPSも開発当初は防衛目的だったそうです。
戦争はしてはいけない。だからといって、技術力もいらないということはないと思います。
どの技術が、戦争に結びつくかはなかなか見分けがつかない時代でもあるのですから。


余談
1543年、種子島に鉄砲伝来。これは子供の頃、教科書で覚えました。
その伝来した鉄砲を分解して、製造技術を習得して、数年のうちに日本は世界一の鉄砲保有国になっていた、と近年知りました。
宣教師の布教の下地にはアジア侵略の意図も見え隠れしていたとか。

幕末。島津藩は若者を含む数十人を密航させています。林望著「薩摩ステューデント西へ」
はじめての西洋行きは若者におおいなる刺激を与えています。でも、藩の目的は西洋の武器の調達だったとか。

明治の初めには、軍事技術の習得のために、ドイツやフランスから武官を招聘しています。


今回、105名の任命のうち、96人しか任命しなかったことにより、いろんな問題が顕在化したことはよかったと思います。








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