詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

嵯峨信之『詩集未収録詩篇』を読む(112)

2021-04-19 10:43:06 | 『嵯峨信之全詩集』を読む

机上拾遺


<blockquote>
ぼくが生活のなかに酒を濯ぎこむと
主のいないただの大きな褥になるだろう
</blockquote>
 「濯ぐ」は「すすぐ」ではなく「そそぐ」と読ませるのか。「ぼく」と「主」が「いない」の関係もよくわからない。

やはや永遠の酔いが遠くへ去つたあとの平安に
だれひとり訪つてくるものとてない

 だれも訪ねてこないから「主」がいないのか。
 それは嵯峨にとって好ましいことなのか、好ましくないことなのか。
 好ましいことなのだろうと、想像して読む。

 

 

 

 


*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
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