なぜ26日? (情報の読み方)
2020年11月23日の読売新聞(西部版・14版)の1面の一面。
これを読んで、私がいちばん疑問に感じたのは、なぜ「26日にも」ということなのか。なぜ、すぐ除外しないのか、ということ。そして、こんなのんびりした記事のどこが「特ダネ」なのかと不思議でしようがなかった。
記事中には、こんなことが書いてある。
で、なぜこれが「特ダネ」なんだろうと、思いながらネットを見ていたら、どこかのテレビ局の放送で、そのテレビ局の「経済局長」が出てきて、「キャンセル料をどうするかなどの制度設計に時間がかかる。担当の職員はいま大忙しだ」というようなことを言っていた。
私はテレビを見ないので、どこの局か忘れた。ネットで探してみようとしたが、見つからなかったので、「情報源(出典)」は不明のままに書いておくが、これを聞いて、あ、そうか読売新聞の「特ダネ」は、「26日にも札幌を除外する」ではなく「札幌を除外するまでに時間がかかる、最速でも26日」という意味だったのかと思いなおした。
でも、そういうことは、読売新聞の記事を読んでもわからない。かろうじて、
という部分の後半、「数日中に対象地域などの詳細を決める考えを示した」からうかがえるだけてある。ここは「見出し」にもとっているが、まさか「詳細」な「基準」が設定されていなかった(つまり、GoToを売り出したものの、中止せざるを得なくなったとき、キャンセル料などはどうなるのかは考えられていなかった)のだとは……。
しかし、こんなことは「見出し」と「記事」を読んだだけではわからない。
しかし。(わた、しかし、をくりかえしてしまうが。)
しかし、この記事を書いた記者はわかっているはずである。そして、「見出し」にもそのことを明示するように要求したはずである。私のようなふつうの読者には「数日中に詳細」というようなことが見出しにとってあったとしても、それがどういう意味かさっぱりわからない。なぜさっさと中止しないのか、おかしいじゃないか、という疑問しか思い浮かばない。
で、ここから、言うのだ。
読売新聞の「見出し」と「記事」はおかしいだろう。たしかに「方針としての事実」を伝えているが、ニュースの本質はそんなところにあるのではない。「26日から札幌が除外される」と知って、急いで札幌へ旅行に行く人がいるだろうか。札幌が危ないとわかったら、お金を損してもいいから行くのはやめよう、でも、キャンセル料はどうなるのかなあ、それも自分の負担になるのかなあ、大損だなあ、というようなことを考えるのではないだろうか。さっさとGoToを中止にしてくれれば、金の問題は国が解決してくれる(国の負担になるのでは)と考えるのではないだろうか。
そして、これこそが問題だったのだ。
「GoToをやめたら経済がまわらなくなる」と菅は言い続けたが、「GoToを中止しなければならなくなったとき、どういう問題が発生するか、損失はどういうかたちで補填するか」をいっさい考えていなかった。コロナ感染は終息すると勝手に予測していた。「希望的観測」で、「希望的施策」を実施した。
やっていることが、まったくデタラメだったのだ。
旅行の計画を立てた国民も困るが、客を受け入れるために設備投資をしたホテル、旅館も困るだろう。
読売新聞は「26日にも札幌除外」という方針を、ただ「リーク」されたまま報道するのではなく、なぜ「26日まで除外できないのか」という視点でこそ、記事を書き、問題を提起すべきだったのだ。
「GoTo中止」が「後手後手」だっただけではなく、中止時の制度設計をしていなかったために、その中止さえ「後手後手」になってしまっている、というのがニュースなのだ。
こういうことを書けば、それこそ、もう一本の「特ダネ」、
というニュースどころではなくなる。安倍はすでに首相をやめている。捜査が拡大し、安倍が逮捕されたとしても「やっとか」くらいの衝撃しかないだろう。しかし、菅の政策に大問題があるということが指摘されれば、菅政権はさらに揺らぐ。野党の追及、国民の批判にさらされ、崩壊するだろう。
GoToとコロナ感染拡大の「因果関係」は科学的に指摘されているわけではないが、ずさんな政策しか菅は打ち出せないということが国民に知れ渡る。信頼感が消えてしまう。マスクしながら会食だとか、三密回避だとか,手洗い励行だとかは、「政策」ではないからね。
菅がコロナ対策で実行した唯一の「政策」が「GoToの見切り発車」だからね。
菅の「無能さ」が、「Goto」であからさまに露顕したのだ。
うがった見方をすれば、読売新聞の記者は、GoToをすぐに中止できない(最低でも26日まで時間がかかる)のは、制度そのものに問題があるからだということから読者の目をそらさせるために「26日にも札幌を除外」というトーンで記事を書いた、そういう見出しにしたということになる。
国民のいのちがかかわっている問題なのに、国民よりも菅に「忖度」していて、どうするのだ。「リーク」されたことをそのまま「特ダネ」と大いばりして書いて、どうするのだ。
*
「情報の読み方」は10月1日から、notoに移行します。
https://note.com/yachi_shuso1953
でお読みください。
#菅を許さない #憲法改正 #読売新聞
*
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2020年11月23日の読売新聞(西部版・14版)の1面の一面。
GoTo札幌除外へ/北海道方針、26日にも/旅行停止 再生相「数日中に詳細」
これを読んで、私がいちばん疑問に感じたのは、なぜ「26日にも」ということなのか。なぜ、すぐ除外しないのか、ということ。そして、こんなのんびりした記事のどこが「特ダネ」なのかと不思議でしようがなかった。
記事中には、こんなことが書いてある。
政府が21日に決めた一時停止の方針では、まずは都道府県知事が判断し、政府が最終決定することになっている。道は23日に同市と協議し、政府に意向を伝達する。道幹部らによると、早ければ26日にも停止し、期間は12月上旬までを想定しているという。
で、なぜこれが「特ダネ」なんだろうと、思いながらネットを見ていたら、どこかのテレビ局の放送で、そのテレビ局の「経済局長」が出てきて、「キャンセル料をどうするかなどの制度設計に時間がかかる。担当の職員はいま大忙しだ」というようなことを言っていた。
私はテレビを見ないので、どこの局か忘れた。ネットで探してみようとしたが、見つからなかったので、「情報源(出典)」は不明のままに書いておくが、これを聞いて、あ、そうか読売新聞の「特ダネ」は、「26日にも札幌を除外する」ではなく「札幌を除外するまでに時間がかかる、最速でも26日」という意味だったのかと思いなおした。
でも、そういうことは、読売新聞の記事を読んでもわからない。かろうじて、
西村経済再生相は22日のNHK番組で、事業の一時停止について、「この何日かで方向性を出し、感染が拡大している都道府県の知事と連携しながら対応していく」と述べ、数日中に対象地域などの詳細を決める考えを示した。停止によって生じたキャンセル料は国が負担する方向だ。
という部分の後半、「数日中に対象地域などの詳細を決める考えを示した」からうかがえるだけてある。ここは「見出し」にもとっているが、まさか「詳細」な「基準」が設定されていなかった(つまり、GoToを売り出したものの、中止せざるを得なくなったとき、キャンセル料などはどうなるのかは考えられていなかった)のだとは……。
しかし、こんなことは「見出し」と「記事」を読んだだけではわからない。
しかし。(わた、しかし、をくりかえしてしまうが。)
しかし、この記事を書いた記者はわかっているはずである。そして、「見出し」にもそのことを明示するように要求したはずである。私のようなふつうの読者には「数日中に詳細」というようなことが見出しにとってあったとしても、それがどういう意味かさっぱりわからない。なぜさっさと中止しないのか、おかしいじゃないか、という疑問しか思い浮かばない。
で、ここから、言うのだ。
読売新聞の「見出し」と「記事」はおかしいだろう。たしかに「方針としての事実」を伝えているが、ニュースの本質はそんなところにあるのではない。「26日から札幌が除外される」と知って、急いで札幌へ旅行に行く人がいるだろうか。札幌が危ないとわかったら、お金を損してもいいから行くのはやめよう、でも、キャンセル料はどうなるのかなあ、それも自分の負担になるのかなあ、大損だなあ、というようなことを考えるのではないだろうか。さっさとGoToを中止にしてくれれば、金の問題は国が解決してくれる(国の負担になるのでは)と考えるのではないだろうか。
そして、これこそが問題だったのだ。
「GoToをやめたら経済がまわらなくなる」と菅は言い続けたが、「GoToを中止しなければならなくなったとき、どういう問題が発生するか、損失はどういうかたちで補填するか」をいっさい考えていなかった。コロナ感染は終息すると勝手に予測していた。「希望的観測」で、「希望的施策」を実施した。
やっていることが、まったくデタラメだったのだ。
旅行の計画を立てた国民も困るが、客を受け入れるために設備投資をしたホテル、旅館も困るだろう。
読売新聞は「26日にも札幌除外」という方針を、ただ「リーク」されたまま報道するのではなく、なぜ「26日まで除外できないのか」という視点でこそ、記事を書き、問題を提起すべきだったのだ。
「GoTo中止」が「後手後手」だっただけではなく、中止時の制度設計をしていなかったために、その中止さえ「後手後手」になってしまっている、というのがニュースなのだ。
こういうことを書けば、それこそ、もう一本の「特ダネ」、
安倍前首相秘書ら聴取/「桜」前夜祭 会費補填巡り/東京地検
というニュースどころではなくなる。安倍はすでに首相をやめている。捜査が拡大し、安倍が逮捕されたとしても「やっとか」くらいの衝撃しかないだろう。しかし、菅の政策に大問題があるということが指摘されれば、菅政権はさらに揺らぐ。野党の追及、国民の批判にさらされ、崩壊するだろう。
GoToとコロナ感染拡大の「因果関係」は科学的に指摘されているわけではないが、ずさんな政策しか菅は打ち出せないということが国民に知れ渡る。信頼感が消えてしまう。マスクしながら会食だとか、三密回避だとか,手洗い励行だとかは、「政策」ではないからね。
菅がコロナ対策で実行した唯一の「政策」が「GoToの見切り発車」だからね。
菅の「無能さ」が、「Goto」であからさまに露顕したのだ。
うがった見方をすれば、読売新聞の記者は、GoToをすぐに中止できない(最低でも26日まで時間がかかる)のは、制度そのものに問題があるからだということから読者の目をそらさせるために「26日にも札幌を除外」というトーンで記事を書いた、そういう見出しにしたということになる。
国民のいのちがかかわっている問題なのに、国民よりも菅に「忖度」していて、どうするのだ。「リーク」されたことをそのまま「特ダネ」と大いばりして書いて、どうするのだ。
*
「情報の読み方」は10月1日から、notoに移行します。
https://note.com/yachi_shuso1953
でお読みください。
#菅を許さない #憲法改正 #読売新聞
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「天皇の悲鳴」(1000円、送料別)はオンデマンド出版です。
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