福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

ノーベル賞と韓国映画

2025年01月14日 |  〇映画・映画音楽
채식주의자  「菜食主義者」 〇〇〇〇-
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2024年10月、ハン・ガン(参考:ウィキ)のノーベル文学賞受賞を受け、
再公開された成人指定映画。ハン・ガンの同名小説を原作とする2010年
公開の作品だ。


△病院の治療さえ拒むようになっていく女性

主人公は、拒食症と統合失調症を併発していく若い女性と、彼女を
保護し、見守る姉。

ブログ主の趣向には全く合わない映画だったが、いろいろなことを
考えさせてくれる映画ではあった。

彼女の精神を追い詰め、壊していった外的な不条理があるとすれば、
それは暴力的で身勝手な周囲の男性たちであった。

彼女は、夫に、幼いころ、飼い犬を撲殺し食卓に上げた父親の頑迷さや
暴力性と共通するものを感じてしまったのかもしれない。そして、それが
幼いころ、飼い犬の撲殺から受けた深い心の傷、トラウマを呼び起こし、
奇妙な夢へとつながり、彼女に、まず肉食を拒否するという初期の症状を
発症させたとも考えられる。

また、肉食を拒否するようになった彼女を衝動的な自傷行為へと追い込んだ
のは、間違いなく、親族が集う食卓の場で、暴力を使ってまで料理の肉を
彼女の口に押し込んだ父親であった。

さらに、夫と別れた後、彼女の病状に追い打ちをかけ悪化させたのは、
義理の兄(姉の夫、後に姉とは離婚)の非常に身勝手で倒錯した欲情で
あったことに間違いはない。

いずれにせよ、強い印象とともに、やるせなくも重苦しい余韻を残して
終わる映画であった。

(終わり)