1970年代、テレビに登場する歌手の髪型にさえ規制が加えられた
という軍事独裁政権時代。
時代の逆風に真っ向から抗い、自由奔放に自分の歌いたい歌を
作り、歌い続けた一人のロックミュージシャンが、韓国にいた。
時の朴正熙(パク・チョンヒ)大統領から、大統領を賛美する歌を
作るよう命じられた時には、権力者にへつらうことを拒み、韓国の
「아름다운 강산(美しい山河)」を歌った。
△動画は、1988年、イ・ソンヒが歌いヒットした「美しい山河」
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■아름다운 강산
美しい山河(1972)
하늘은 파랗게 구름은 하얗게
실바람도 불어와 부푸는 내 마음
空は蒼く 雲は白く
そよ風も吹いてくる ふくらむ僕の心
나뭇잎 푸르게 강물도 푸르게
아름다운 이 곳에 내가 있고 네가 있네
山は青く 川の水も青く
美しいこの地に 僕がいて 君もいる
손잡고 가보자 달려보자 저 광야로
우리들 모여서 말해보자 새 희망을
手をつないで行ってみよう 走って行こう あの広野へ
みんなで集まって 語ってみよう 新しい希望を
하늘은 파랗게 구름은 하얗게
실바람도 불어와 부푸는 내 마음
空は蒼く 雲は白く
そよ風も吹いてくる ふくらむ僕の心
우리는 이 땅 위에 우리는 태어나고
아름다운 이 곳에 자랑스런 이 곳에 살리라
僕たちはこの地の上に 僕たちは生まれ
美しいこの地に 誇らしいこの地に 暮らして行く
찬란하게 빛나는 붉은 태양이 비추고
하얀 물결 넘치은 저 바다와 함께 있네
燦然と輝く赤い太陽が照らし
白い波が溢れる あの海といっしょにいる
그 얼마나 좋은가 우리 사는 이곳에
사랑하는 그대와 노래하리
どんなにうれしいことか みんなが暮らす この地で
愛する君といっしょに歌う
오늘도 너를 만나러 가야지 말해야지
먼훗날에 너와 나 살고지고
영원한 이 곳에 우리의 새 꿈을 만들어 보고파
今日も君に会いに行かなければ 話さなければ
遠い将来 君と僕 生きて死んで行く
永遠に続くこの地に 僕たちの新しい夢を描いてみたい
봄 여름이 지나면 가을 겨울 온다네
아름다운 강산
春夏が過ぎれば 秋冬が来る
美しい山河
너의 마음은 내 마음 나의 마음은 너의 마음
너와 나는 한 마음 너와 나
君の心は僕の心 僕の心は君の心
君と僕の心は一つ 君と僕
우리 영원히 영원히 사랑은 영원히 영원히
우리 모두다 모두다 끝없이 다정해
僕たちは 永遠に 永遠に 愛は 永遠に 永遠に
僕たちは みんな みんな 限りなく 愛し合う
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この歌の作成の経緯には、もしかすると「伝説」が含まれている
のかもしれない。
しかし、彼が、自分の生まれ育った美しい山河や愛を歌い、
独裁者や国家を歌わなかった(賛美しなかった)ことだけは確かだ。
また、この曲の発表後しばらくして、彼の大衆音楽家としての道が
断たれ、歌が禁止されたのも事実だ。
彼と彼の歌が再び自由を取り戻すのは、韓国が民主化される
80年代後半のことだった。
韓国ロック界の生きる伝説。
申重鉉(シン・ジュンヒョン)が、その人だ。
1938年生まれというから、今年、71歳。「ヲタク」から見れば、
親の世代にあたる人物だ。
それでは、最後にもう一曲、彼の代表作であり、「ヲタク」が最も
好きな彼の曲でもある「미인(美人)」を紹介しておく。
※音楽が始まるまでにしばらく時間がかかる
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■미인
美人(1974)
한번 보고 두번 보고 자꾸만 보고 싶네
아름다운 그 모습을 자꾸만 보고 있네
一度見て二度見て 何度でも見たくなる
美しいあの姿を 何度も見てしまう
그 누구나 한번 보면 자꾸만 보고 싶네
그 누구의 애인인가 정말로 궁금하네
誰でも一度見れば 何度でも見たくなる
誰の彼女なのか 本当に気になる
모두 사랑하네 나도 사랑하네
모두 사랑하네 나도 사랑하네
みんな彼女が好きだ 僕も好きだ
みんな彼女が好きだ 僕も好きだ
나도 몰래 그 여인을 자꾸만 보고 있네
그 누구도 넋을 잃고 자꾸만 보고 있네
思わず 彼女を何度も見てしまう
誰もが我を忘れ 何度も見てしまう
그 누구나 한번 보면 자꾸만 보고 있네
그 누구의 애인인가 정말로 궁금하네
誰でも一度見れば 何度も見てしまう
誰の彼女なのか 本当に気になる
모두 사랑하네 나도 사랑하네
모두 사랑하네 나도 사랑하네
みんな彼女が好きだ 僕も好きだ
みんな彼女が好きだ 僕も好きだ
△「キサマァ・・・。オレは知ってるんだからな・・・」
「オマエ、この曲聴きながら、某コンビニ店で時々
見かける美人店員のことを思い浮かべているだろがあッ!
とぼけても無駄だあッ!」
「え?なんだと?あのう、お客さんが呼んでますよ~、だと?」
「うるさあいッ!オレを甘く見るなよ」
△「それがほんとなら・・・、くやしい」
(終わり)